美術

近況―Ephemerons はかなきものたち

ご無沙汰して居ります。正月以来、変な頭痛に悩まされ、病院に通っております。ようやく先週くらいから収まってきましたが、一時は痛みが激しくて、のた打ち回るような状態でした。(念のため、来月、脳の血管を詳しく調べてもらうことにしております。)こ…

年末の挨拶

12月26日(金)、午後から横田茂ギャラリーの村上友晴展を見に行く。「マリア礼拝堂」と題された展示。iconとされる油彩5点、pietaとされる鉛筆画5点と、点数は多くはないが、倉庫の一角の大きなフロア全体がまさに礼拝堂と化していた。 横田さんと村…

一人展など

12月19日(金)、一年ぶりに健康診断を受ける。心配していた血圧は何とか正常範囲に収まっていた。体重はあれほど努力したつもりなのに、ほぼ横ばい。今年から腹囲も計測された。○○センチ。メタボの基準を軽く超えている。去年は「要精密検査」となって…

僕たちの自画像

12月13日(土)、知り合いに誘われて横浜美術館の「セザンヌ主義」展を再訪。今回はそれほど混んでおらず、じっくり見ることができた。セザンヌのアトリエを改装した記念館についてのビデオも興味深く拝見した。 MM21のとんかつチェーン店で昼食にし…

素朴美の系譜

12月8日(月)、松濤美術館の「素朴美の系譜」展のオープニング・レセプションに出席。平安末〜鎌倉期の「華厳五十五所絵巻断簡」(重要文化財)、室町期の「長谷寺縁起絵巻」「かるかや」、さらに江戸時代の大津絵、白隠(右図)から仙崖に至る禅画、浦…

瀧口日和(その2)

12月7日(日)、フランス人の美術研究者F先生にお目にかかるため、午後3時に表参道に行く。声を掛けてくださった仏文学者A先生の方が先にいらっしゃっていた。「F先生、このあたりに住んでいる日本人の教え子に昼食に招待されているそうで、まもなくい…

茅場町・早稲田

12月5日(金)、天気予報によると、夕方から激しい雨になるとのことだったので、午後早めに家を出る。まず茅場町のタグチ・ファインアートに行き、韓国の若手作家キム・テクサンkim taek sang の「hue of wind(風の歌)」展を見る。この作家は2年ほど前…

再びトリエンナーレへ

11月28日(金)、みなとみらい近くで知り合いと昼食。知り合いの友達も近くまで来ていることがわかり、急遽合流。その友達は、ご主人が職場でノイローゼに陥り、リストラされそうになっているという状況だそうだ。にもかかわらず、まるで他人事のような…

タイム・クレヴァス

11月23日(日)、竹橋の近代美術館で開催された美術評論家連盟主催のシンポジウム(パネル・ディスカッション)「批評を批評する」を聴講。パネリストは針生一郎、柄谷行人、岡崎乾二郎の3人。司会は松濤美術館の光田由里学芸員。チラシに用いられた瀧…

セザンヌ主義など

11月14日(金)、横浜美術館の「セザンヌ主義―父と呼ばれる画家への礼賛」展のオープニング・レセプションに、知り合いのMさんとともに出席。「セザンヌ主義」というタイトルは、少し踏み込みすぎだと思うが、セザンヌが多くの画家から敬愛された事情を…

茶飲み友達

11月13日(木)、午前中に外出。まず白金の畠山記念館で「数奇者 益田鈍翁 心づくしの茶人」展を見る。今年はこの大財界人(三井物産や日本経済新聞社の創立者)にして大茶人であった鈍翁の生誕160年、かつ没後70年にあたるそうで、これを記念する展覧会。 …

横浜の動物たち

11月12日(水)、午後から外出。まず横浜駅近くの百貨店内の美術館で開催されている三沢厚彦「ANIMALS '08 in YOKOHAMA」を見る。鑿彫りによる動物の木彫で、油絵具で彩色されている。白くま、犬、猫、ライオン、豹、キリン、猿、コウモリ、ウサギなどな…

上野・神保町・淡路町

11月8日(土)、昼前に出掛け、上野の東京都美術館で開催されているフェルメール展の関連シンポジウムを聴講する。出席者(パネリスト)はフェルメールが専門の学芸員一人と大学教授二人、司会(自らの発表もあった)はドイツ美術が専門の名誉教授、この合…

平塚の一日

11月3日(月)、昼前に出掛けて速水御舟展が開催されている平塚へ。ちょうど昼頃に平塚に到着したので、まずはインターネットで目星をつけていた鰻屋で腹ごしらえ。 時間つなぎと思い、ビールと肝焼きを注文する。(ビールは大嫌いな「何とかドライ」とい…

古本日和・工芸日和

10月31日(金)、夕方から神保町に出掛け、「神田古本祭り」を楽しむ。古書会館の即売会場もいつもよりはるかに人手が多い。某書店の棚で見つけた新刊雑誌には、渋谷にあった「アートスペース美蕾樹」の20年以上に及ぶ活動暦が掲載されていたので、早…

大琳派展など

10月21日(火)、旅行から帰ったばかりだが、上野の国立博物館「大琳派展」を見に行く。知り合いの女性2名と前から約束していたのだ。 会場に入るとまず、光琳「風神雷神図屏風」、抱一「風神雷神図屏風」、其一「風神雷神図襖」が展示されていた(宗達…

室町将軍家の至宝

10月18日(土)、9時前に家を出て、新横浜駅へ。指定席を取ってある「こだま」まで少し時間があったので、新しくオープンした駅ビルを覗いてみる。パン屋で昼食用のサンドイッチを買った後、どういう店が入居しているのか眺めながら、ぶらぶら売り場を…

語り手たちの秋の声

10月某日、慶應義塾大学の三田キャンパス東館展示スペースで「語り手たちの秋の声 クレー、タピエス、トゥオンブリ」(富士ゼロックス版画コレクションによる)を見る。 クレーは「小世界」(1914年)、「フォーゲル劇場」(1918年)、「ホフマン風の情景…

PCクラッシュ

9月20日過ぎにパソコンがクラッシュし、修理に出したところ、「期末棚卸のため修理センターの稼動を中止しております。作業は10月1日からになります」とのこと。昨日やっと戻ってきました。 毎年のようにクラッシュし、ビデオボードの交換が必要になる…

原宿・新宿・竹芝

9月17日(水)。この日から始まる太田記念美術館の「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」の後期展示に行く。10時20分頃に到着したが、入り口付近にはすでに20〜30人くらいの観客が日差しを避けながら待っていた。開館と同時に行列が静かに中…

今日の反核反戦

9月13日(土)。午前中に家を出て、東武東上線つきのわ駅へ。雑木林と草むらの間の道を30分ほど歩いて原爆の図丸木美術館まで行き、「今日の反核反戦展2008」と、そのオープニング・イベントを見る。(途中、前日に続いて横浜駅ビルでの買い物をし…

原宿・神保町・銀座

9月12日(金)。朝、家を出て横浜駅ビルへ。新刊書まで1割引で買える恒例のバーゲンだ。最近出た学術系文庫などを買い込む。棚に置いていなかった単行本も一冊注文(G.ジュネットの物語論)。ブルトンの『黒いユーモアの選集』が文庫化されたとは知らな…

光の結晶

9月7日(日)。午前中に家を出て、横須賀美術館「ライオネル・ファイニンガー 光の結晶」展に行く。初期の新聞連載漫画・風刺画から、油彩、水彩、版画、素描、木製玩具まで130点ほどの展示で、国内では初めての本格的な回顧展だそうだ。 美術館に着いて、…

所沢から所沢へ

9月4日(木)。昨日の暑さも一段落したので、早めに昼食を済ませ、所沢まで行く。若手の美術家たちの自主企画展「所沢ビエンナーレ」・プレ展覧会「引込線」が開催されているのだ。所沢在住の美術家が市内某所に集まって熱い議論を交わし、以下の「企画概…

源氏物語の1000年

このところ豪雨と雷が続き、家に籠もってばかり。出掛けるのも、買い物か散歩、せいぜい地元の図書館くらいで、この日記を更新するのも1週間振りになってしまいました。8月29日(金)。図書館に寄った後、夕方から知人と落ち合い、横浜美術館の「源氏物語…

おばあちゃん、はじける!

8月23日(土)。午前中に外出。まず溜池の泉屋博古館(分館)で「近代工芸の華 明治の七宝―世界を魅了した技と美―」を見る。素晴らしいの一言だった。並河靖之、涛川惣助の二人の作品はもちろんだが、特に尾張七宝の絶頂期、林喜兵衛、林谷五郎あたりが凄…

異質五人展

8月10日(日)。富山から上京してきた知り合いに誘われ、新宿の紀伊國屋画廊「異質五人展 1978年より2008年の軌跡」を見に行く。芥川麟太郎、恵藤求、加藤芳信、木下晋、藤山ハンの、5人の画家による30年振りのグループ展。 恵藤画伯は会場にいらっしゃ…

猛暑の日

8月8日(金)。朝から外出。上野の東京都美術館のフェルメール展へ。今週始まったばかりなのだが、会場はかなり混んでいた。フェルメールを7点も見ることができるのだから、当然といえば当然だ。子供の姿が多いのが、いかにも夏休みの展覧会らしい。 展示…

渋谷から神保町へ

8月4日(月)、午後から外出。まず渋谷の東急文化村ザ・ミュージアムで開催されている「青春のロシア・アヴァンギャルド」展を見る。「ロシア・アヴァンギャルド」といえばその昔、池袋で開催された「芸術と革命」展を思い出す人も多いようだが(私などもそ…

町田から神保町へ

7月30日(水)、昨晩の雨で気温が少しだけ低く感じられ、これ幸いと、朝から出掛ける。 まず会期が今週限りとなった町田市立国際版画美術館「中国の山水と花鳥 ― 明清絵画の優品」展へ。中国の絵画といえば、東博の東洋館の特集展示とか、仏画展、水墨画…