美術

結果は抽籤で(その3)

7月25日(金)。午後から外出。日本橋の三井記念美術館で「NIPPONの夏」を見る。「夏ならでは」の動植物や行事、娯楽、風俗などを表現した絵画や工芸品を、一日の時間の流れに沿って、朝、日盛、夕暮、夜の4つの章に分けて展示するもの。 第1〜3室は常…

暑気払いと土用

7月23日(水)。午後から外出。有楽町の出光美術館で「没後50年 ルオー大回顧展」を観る。今回の展示は初期から晩年まで網羅されていたが、どちらかといえば「受難」(右図)、「ミゼーレ」の両シリーズが中心で、あの鉱物のように輝くマチエールの(中…

芸術の日本

表慶館ではフランスの陶器の皿(テーブル・ウェア)が展示されており、どれも「北斎漫画」や広重「魚づくし」などから図案が写されたもの。欧州における日本への憧れ・日本ブーム(いわゆるジャポニズム)の好例だろう。(ジャポニズムの根拠ともなった雑誌…

美術ハ國ノ精華ナリ

7月17日(木)。美女4人と待ち合わせ、上野の東京国立博物館「対決 巨匠たちの日本美術」展を観る。「対決」とか「巨匠」などという言葉の「あざとさ」は、どの美術館も観客動員に追われる昨今、已むを得ないのかもしれないが、展示自体は、こうした上辺の…

駒場から神保町へ

7月4日(金)。早めに昼食にした後、外出。駒場の日本近代文学館で「女流文学者の手紙」展を見る。第一部「書くことの悩みとよろこび」、第二部「生きることのつらさ」、第三部「友情と励ましのなかで」の三部構成。 展示されている手紙は、女流同士の手紙…

あの色 あの音 あの光

7月1日(火)。早めに昼食を済ませて外出、鎌倉に行く。まず近代美術館の「あの色 / あの音 / あの光」展へ。美術間のホームページで関根正二の「少年」が展示されていると知り、訪れる気になったのだが、会場に入るといきなり展示されていた。いつ見ても心…

浜松町・茅場町・神保町

6月27日(金)。雨も上がったので、午後から外出。浜松町の横田茂ギャラリーで「河口龍夫 sewe saw seen 1973」を観る。ここで河口展が開催されるのは、久しぶりだ。展示は9点の写真と、プロジェクターで壁面に投影されるスライド写真から構成されていた…

原宿・渋谷・恵比寿

6月25日(水)。今週いっぱいで会期末を迎える展覧会を回る。午前中に家を出て、まず太田記念美術館の「大田南畝」展の後期に行く。半分くらいは展示替えされていた。狂歌の集まりの時に作られた軸物の合作2点は(前期にも展示されていたと思う)、豪華…

白金台から品川へ

6月21日(土)。夏至だというのに、朝からあいにく雨模様となった。早めに昼食を済ませ、白金台で開催された某学会に出席する。発表はこの日の3番目。C.D.フリードリッヒ、G.ベッリーニと、西洋美術史の正統的なテーマが続いた後に、瀧口修造の書斎に関…

上野・神保町・銀座

6月19日(木)。昼過ぎに外出。上野の東京国立博物館に行き、運慶作「大日如来坐像」を見る。入り口を入った1階すぐ右手の11室に、しかもいきなり対面するように展示してあるのが意外だった。思っていたより小振りで(70〜80cmくらい)、金箔がかな…

茅場町・神保町

6月12日(木)。夜11時過ぎに知り合いの女性からメッセージが入る。親友(女性)がまだ30歳にもなっていないのに、亡くなったという。驚いてしまった。私自身は直接の面識がなかったが、この日記を「はてな」に移す前のmixiの頃から読んで下さってい…

横浜・松濤・神保町

6月7日(土)。午前中から外出。横浜美術館の「木下孝則展 昭和の気品、横浜の洋画家」を観る。両対戦間の前衛的な傾向とは一線を画した、写実的な作風のようなので、後回しにしてきたが、肖像画、裸婦、静物画や、日課のように描いていたという花の絵など…

ラッキーカード

6月4日(水)。雨も上がったので、午前中から出かける。まず芦花公園の世田谷文学館「ファーブル昆虫記の世界」展。ファーブル先生直筆の資料・原稿や、息子のポール=アンリが撮影した、当時の写真などを拝見する。『ファーブル昆虫記』は、子供の頃の愛読…

RiSHO returns.

6月2日(月)。元の組織の兄貴分と待ち合わせ(先日、ヴラマンク〜大田南畝〜NHKと回ったのと同じ人)、午後から渋谷区立松濤美術館の「河野通勢」展オープニング・レセプションに出席。 この展覧会、すでに平塚市美術館でも観たのだが、何度観ても河野通…

とりあえず信州

とりあえず信州名所巡りに行ってきました。ざっと、こんな旅程でした。 箱根〜芦ノ湖〜御殿場〜山中湖〜河口湖〜大月〜長坂〜清春芸術村・清春白樺美術館〜茅野〜蓼科〜白樺湖〜車山〜霧が峰〜三峰山〜美ヶ原〜松本〜松本城〜松本市美術館〜白骨温泉〜上高地…

Variations in Serenity

今回の展覧会、まずタイトルが「岡鹿之助展」のみで、サブタイトルなしというのが、潔くて良い。もっとも英文では“Variations in Serenity”となっているのだが。「静謐な変奏」か。これなら展示に相応しいかもしれない。 実は、生れて初めて展覧会に行き、感…

申し込みはしたものの・・・

5月19日(月)。朝、旧知の画商Mさんから電話があり、「久しぶりに飲みませんか?」とのお誘い。2月に会って以来だ。夕方、京橋近くの喫茶店で落ち合う。ある調べ物の依頼だった。持ち帰って家で調べることにする。 その後、銀座に回り、ビールで喉を潤…

悪いことは続くもの

5月18日(日)、親戚に慶事があるからと上京してきた、愛媛県宇和島の旧友と、横浜で会った。初めて出逢ったのは今から20年以上前、瀧口修造に関係したある会合の席だった。すぐに意気投合し、上京の際には必ず会うようになった。こちらが宇和島に訪ねた…

夢がしゃがんでいる

5月13日(火)。知り合いと美術館巡りをする約束をしており、季節はずれの台風が心配だったが、朝起きてしばらくすると、どうやら雨が上がった。予定通り出掛けることにする。 平塚駅前で待ち合わせ、市美術館へ。ロビーに三沢厚彦の「ユニコーン」が展示…

5月9日(金)、午後から浜松町の横田茂ギャラリーに行き、クリスチャン「道」展を観る。石膏・ブロンズの立体(独楽を想わせる形)が2点、ドローイングが3点(これはとても「強い」作品だ)。2階のスペースでは、小さなインスタレーションが置かれてい…

関西放浪記(その4)

5月7日(水)、朝9時半過ぎにホテルを出る。地下鉄で東山まで行き、歩いて細見美術館へ。10時の開館と同時に入り、開館10周年記念特別展「江戸絵画の夢と光り―若冲・北斎とともに―」を観る。(右図はそのチラシ) 江戸初期の「豊公吉野花見図屏風」、…

関西放浪記(その3)

来た道を逆にたどり、石山駅からJRで京都駅に戻る。着いたのが3時15分頃。やはり下界は暑い。バスで京都国立博物館まで行き、「絵画の冒険者 暁斎 ― 近代へ架ける橋」を観る(連休最終日の夕方なのに、入館まで15分待ちだった)。 歌川国芳のもとで浮…

関西放浪記(その2)

5月6日(火)。京都に戻るので、朝、近鉄奈良駅へ。昨年の関西旅行の後、知り合いが「京都行きの直行が無いときは、西大寺で乗り換えると早い」と教えてくれたので、そのつもりで時刻表を見ると、10分ほど後に直行の急行がある。迷わずこれに乗る(駅の…

関西放浪記(その1)

5月5日(月)、朝、新横浜発の「こだま」に乗り、昼過ぎに京都着。そのまま近鉄で「学園前」まで行く。(新幹線ではうるさく感じた車内の話し声も、関西弁なら苦にならないから不思議。)駅ビルを出ると、周囲の丘がなだらかで美しい。また空気も柔らかく…

シュルレアリスムの宇宙と「古本年鑑」

4月20日(日)、昼前に外出。恵比寿の東京都写真美術館の「シュルレアリスムと写真」展の関連シンポジウム「シュルレアリスムの宇宙」を聴く。演題は次のとおり。各発表とも持ち時間30分では収まらない、ズッシリ重い内容だった。 第一部「シュルレアリ…

上野から神保町へ

4月15日(火)、朝9時過ぎに電話が架かってくる。この時間ならコレクターの大先達Kさんだろうと思い、受話器をとると、予想に反して「もしもし、Oです。」と懐かしい声がした。音楽関係の方で、最後にお目にかかったのは6年ほど前だろうか。いつもタダ…

立方体はブドウ酒の味がする

4月11日(金)、午後から恵比寿の写真美術館の図書室に行き、発表に備えて調べ物(だが肝心の資料が使用中となっており、また出直さなくてはいけない。トホホ)。その後、六本木に出て、富士ゼロックス・アートスペースで開催されている戸村浩展を見る。…

絵画の鎖・光の森

4月7日(月)、渋谷区立松濤美術館の「中西夏之新作展―絵画の鎖・光の森」のオープニング・レセプションに出かける。美術館で「新作展」とは、凄い(そして間違いなく画期的な)ことだ。地下1階と地上2階の2フロアは白色を基調とする新作の(おそらく連…

目黒から中目黒へ

3月最後の日、目黒の東京都庭園美術館で「建築の記憶 写真と建築の近現代」展を観る。前半の江戸・明治期の写真(城、宮城、ニコライ堂など)の写真には圧倒的な「記憶の厚み」が感じられたが、時代が下るにしたがって、その厚みが薄れてくる(桂離宮を撮影…

奥沢・原宿・恵比寿

3月19日(水)、元の組織の兄貴分から呼び出しの電話があったので、朝、自由が丘まで行く。早めに家を出て、待ち合わせ時間よりかなり前に到着したのだが、すでに兄貴分が駅前で待機されていた。遅参をお詫びし、今日の行動予定を打ち合わせた後、裏通り(…