音信など

いつのまにか桜が満開となったが、このところ花粉症の症状がひどく、外出はなるべく控えるようにしている。今週から医者が薬を、一日一回のタイプから朝晩飲むタイプに変えてくれた。目の痒みが少し治まってきたような気がしないでもない。
知り合いから転職の便りがあった。京都の老舗画廊のスタッフとして働いてきた方だが、とうとう独立して東京に事務所を構えるのだそうだ。この不景気の下で、必ずしも将来は安泰とはいえないと思うが、門出をお祝いしたい。
出版の便りもあった。ネット上の知り合いが現代ギリシアの代表的な詩人カヴァフィスの評伝『カヴァフィス 詩と生涯』(みすず書房)を共訳し出版された。その解説「カヴァフィスの受容と変容」は、コンパクトながら要を得た研究史であると同時に、この詩人の詩が各国に広がっていく「宿命のような力」が鮮やかに跡付けられており、これ自体、ひとつの興味深い物語となっている。この解説だけでも読む価値があるだろう。家業でお忙しい中(何と榛名山で旅館を営まれているのだ)、よく訳を纏め上げ、物されたものだと頭が下がる。読後、居住まいを正す思いがした。
私自身は、失態を演じてしまった。4月某日、某所で開催される「竹林園遊会&筍昼食会」に知り合いをお誘いし、スケジュール調整のお手間をかけた末、どうにかOKをいただいたのだが、その直後、この日は恵比寿の写真美術館のシンポジウムと重なっていることに気がついた。慌てて事情をご説明し、見送りとさせてもらった。こちらからお誘いしておきながら、失礼を申し上げてしまった。「出入り禁止!」などということにならなければよいのだが・・・。
来週からはお花見会、展覧会のオープニング・レセプション、上記のシンポジウムの聴講などが続くうえ、また某研究会で発表のご指名を受けてしまった。これから準備しなくてはいけない。まさに泥縄だ。
最近、小学校の同窓生が急性心不全で亡くなった。私自身はあまり接点がなかったので参列しなかったが、お通夜・ご葬儀には数百人が集いお見送りしたそうだ。故人の人柄と幅広い交友関係の故だろう。早すぎるご逝去が惜しまれる、ご冥福をお祈りします。