本を買うなら

5月15日(木)。悪い夢にうなされたらしく、明け方に目が覚めてしまった。睡眠不足で最悪の体調だが、午後から外出。まず横浜駅ビルの某書店に行く。今日から始まる(駅ビル全体の)バーゲンで、新刊書まで1割引なのだ。最近刊行されたハードカバー3冊、学術系文庫5冊ほど買う。無料で配送してくれるのも有難い。
JRで秋葉原に出て、最近、出店してきたというブック○○を覗く。このチェーン店、古本のエキスパートたちのブログに頻繁に登場するし、北海道在住の(ネット上の)知り合いが購入されている雑誌もなかなか面白い。古本に詳しい知り合いの話でも、定価の半額だから買うものがあれば得だという。試しに寄ってみた。
エスカレーターでフロアに上がって棚を見ると、さっそく芸術新潮の「蕪村」特集号が目に入る。(「牧谿」特集号もあったが、すでにも持っているので見送り。)他にエルデコ、CASAブルータス、オーディオ関係の雑誌なども懐かしかったが、結局、買うことにしたのは「蕪村」特集号1冊。1フロア下のレジへ。シールが剥がれており、「半額の棚にあったのだし、半額だろう」と思っていたら、何と定価の3分の1だった。どういう決まりかよくわからないが、得をした。毛嫌いせず、訪れることにしよう。
神保町まで歩き(体調が悪いのでフラフラする)、いつも行く某書店へ。左側の棚の前にも本が積まれている。また大量の仕入れがあったようだ。店主はというと、レジから出て右奥で椅子に腰掛け、カタログ類に値段をつけていた。見るからに疲れた様子。顔を見るなり「昨日、今日と、仕入れでクタクタだよ。今日は成城だった。某大学の教授だった人だけど、幅が広くてねえ。特価に出すのもずいぶんある。明日の昼からだけどね。このところ仕入れの話が多くて、朝4時半に来て片付けているけど、地方のお客さんには待ってもらっている状態だよ。」あれやこれや、30分ほど話して店を出る。
この後、九段下某所で写真関係の研究会があるので、靖国通りを歩いていくと、ある古書店(映画パンフレットやサブカルチャー雑誌が専門)の店頭のダンボール箱に「いけばな草月」の1950年代の号があるのを発見! 目次を見るとまさに瀧口修造が寄稿している。(古本屋さん巡りで一番うれしいのは、やはりこういう瞬間だ。ブック○○もよかったけれど。)箱を漁ってみたが、結局この1冊だけだった。奥のレジで代金を払って店を出る。
空腹感は全くないのだが、何か少しは入れておこうと、九段下のハンバーガーショップに寄ると、店頭で研究会のメンバーと鉢合わせ。一緒に2階へ上がり、ミャンマー・中国支援募金などの話をしながらハンバーガーを食べる。6時半から研究会に出席。この日の発表は蒼○舎のOさんで、司会は某美術館研究員Kさん。互いに古い知り合いなので、対談に近い感じ。社名の由来、創業当時の状況、出版してきた写真集、古本屋としての営業など、かなり具体的で、当事者しか知り得ない事実も話に出た。会の後、出席者全員でOさんを囲み、2次会に行ったと思うが、私は体調が最悪なので、失礼させてもらった。残念だった。