古本屋&研究会

5月16日(金)、午後から市立図書館まで行き、調べ物。帰りに伊勢佐木町に回り、古本屋さんを何軒か覗く。以前は素通りしていたブック○○にも寄る。別冊「太陽」を1冊買う。
そのまま足を延ばして馬車道の県立歴史博物館前のS堂へ。2年ほど前に前の伊勢佐木町のブック○○の前から移転してきた店。きれいな新築のビルの2階にあり、階段前に出されている特価本のワゴンはやや場違いな感じ。店内も古本屋さんらしからぬ明るさだ。せっかく誂えて棚を作ったようだが、スパース自体の広さが前の2分の1くらいなので、すでに大量の本が溢れ、床にも積み上げられている。落ち着いてくるまでもう少し時間がかかるかもしれない。
といっても、品揃えが以前と全く変わらず、硬派そのものなのはうれしい。アダルトやコミックを一切置かず、哲学・思想、心理、言語・語学、歴史、美術、音楽など、人文関係の単行本や全集が中心。キリスト教関係が多いのも、この店の特徴か。辞書は以前ほど置いていないようだ。(今使っているフランス語の学習辞典は、その昔この店で買ったものだ。今も重宝している。)以前同様、BGMにバロック音楽、特にG.グールドのバッハが流されているのも、なつかしい。買いそびれていたT.ド・デューヴ『マルセル・デュシャン』があったので、いただく。
5月17日(土)、昼前に外出。まず神保町のT書店に寄り、世間話。1940年に刊行された、ある写真集を見せてもらう。日本の代表的な前衛写真集とされ、最近復刻版も刊行されるような稀覯本だ。所蔵している美術館や図書館がいくつかあるようだが、どこでも貴重書扱いで、このように手に取って見るなどということは到底出来ないだろう。相場より割安の値段がつけられているようだが、それでも私にはとても手が出ない。美しい1冊だった。
この後、早稲田の某所で研究会があるので、東西線に乗るため九段下まで歩く。途中の古本屋さんにまた出物がないか注意したが、2匹目のドジョウは居なかった。一昨日同様、ハンバーガー・ショップの2階で軽く腹ごしらえをし、表に出ようと階段を下りていくと、よく利用する洋食屋Gの女将さんが、お孫さんをつれて上がってくるところだった。「おや!こんにちは」「あらまあ!」「今日はお休みでしたね」などと挨拶する。
早稲田に出て、近代詩関係の研究会に出席。今回のテーマは神原泰と上田敏雄について。2時過ぎにスタートしたが、神原と上田、どちらの発表も恐ろしく内容があり、終了したのは7時半頃だった。近くの蕎麦屋で2次会。カキアゲ、地鶏の塩焼、ジャコ天などを酒肴に盛り上がる。9時半頃お開きに。
大手町・東京駅に出てJRで帰るつもりだったが、「蒲田〜川崎間の人身事故のため、振替輸送を実施しております」というので、品川から京浜急行に乗る。帰宅したのは11時半頃だった。東京でパラついていた小雨が上がっていてよかった。