RiSHO returns.

6月2日(月)。元の組織の兄貴分と待ち合わせ(先日、ヴラマンク大田南畝NHKと回ったのと同じ人)、午後から渋谷区立松濤美術館の「河野通勢」展オープニング・レセプションに出席。
この展覧会、すでに平塚市美術館でも観たのだが、何度観ても河野通勢という画家は凄い。従来知られていなかった作品が多く、また、これ一点という有名な作品がないこともあり、知名度は今一つのようだが、信州の風景を描いた初期の風景画でも自画像でも宗教画でも(ロシア正教の熱心な信者だった)、女性を描いた風俗画でも、晩年の南画でも、駄作というようなものが無い。岸田劉生も通勢には一目置いてたようだ。
大正期にこれだけの分量の銅版画を残した画家・版画家は他にいないそうなので、版画家河野通勢という側面も注目されていくことだろう。信州に行ってきたばかりなので、初期の風景画やデッサンに惹かれた。また何度か足を運ぶことになろう。
会場で師匠筋の教授と遭遇してしまい、主催されている某学会の今月の会で発表するよう、念を押されてしまった。春先にもそういう話はあったのだが、その後、具体的な指示を頂いていなかったので、そのまま遠慮させていただこうかと思っていた。だが、甘かったようだ。心して準備しなくては。

その後、神田の古書会館に行き、前日に続いて地下室の古書展を見る。文庫本を4冊買う。一旦、表に出て、化粧品チェーン店が撤退した跡地に最近出現したインド料理店で腹ごしらえ(神保町交差点裏のマ○○ラには及ばないような気がした)。その後古書会館に戻り、瀧川鯉昇、三遊亭遊喜、瀧川鯉太の各師匠の落語を聞く。
鯉昇師匠、昨年秋にもここで公演されていたと思うが、聴いておけばよかった。いや面白いの何の、これほど声を上げて腹の底から笑ったのは、久しぶりのような気がする。7時から9時過ぎまで、2時間以上笑い続けたので、目に涙まで出てきてしまった。同行の兄貴分は、毎晩寝しなにCDで落語を聴くそうで(ただしマクラで眠ってしまう由)、寄席にも年5〜6回は通うほどの、熱心な落語ファンだが、やはりゲラゲラ笑っておられた。満足された様子。
鯉昇師匠の3枚目のCDが先月発売され、会場でも販売されていたが、「売れ残ると持って帰るのが重い」と、10枚しか持参されていなかったという。やはり変わった方だ。その10枚の最後の1枚を辛うじて入手し、サインをいただいた。2日続けて贅沢な一日を過ごした。


6月3日(火)。朝から雨模様。終日、家に籠り、ぼちぼち発表準備などに着手する。このところ火曜日というと、台風が来たり雨が降ったりしているような気がするが、一体どういう訳だろう? 明日、天気がよければ、今週一杯で会期末を迎える展覧会を回っておこうと思う。