2011年フランス旅行 8日目

2011年10月30日(日)

ホテルのレストランで朝食(この日から冬時間に変わったので、1時間だけ得をした気分)。


ホテル内でジョギング姿が目立つと思ったら、何とマラソン大会の開催日と重なっていたのだった。テレビ局の中継車なども来ており、大きな大会らしい。地下鉄の駅のすぐ隣が立派な陸上競技場となっており、大変な人混みだ。道路が歩きにくい上、地下鉄駅の手前の入口は出口専用にされており、向う側の端の入口まで遠回りさせられた。予定より30分ほど遅れて出発することになった。


サン・シャルル駅構内でレンタカーを借り、高速道路でエクサン・プロヴァンスに移動(レンタカーのカウンターがなかなか見つからず、この時点ですでに1時間以上の遅れとなった)


セザンヌのアトリエを訪ねる。正午から昼休みに入るので、見学時間はわずか10分ほど。内部は撮影禁止だった。


その足でセザンヌがサント・ヴィクトワール山を描いたことで有名なレ・ローヴの丘を散策。(セザンヌの旧宅に気を取られているうち丘の入口を通り過ぎてしまい、30分ほどロス。)プロヴァンスは空気が乾燥して日差しが強く、日本の初夏のようなさわやかな暑さ。現地の人はほとんどが上着なし。半袖姿も目立った。(こちらは冬仕度で来たのだが…)


この後、休憩場所があるか判らなかったので、エクサン・プロヴァンス街中のカフェで一休み。コーヒーだけで済まそうと思ったら、ラテン系の美人若女将に「うちはレストランですから、何か食事をしていただかないと」と言われ、やむなくプロヴァンス風サラダを注文する。が、とても食べきれない量で、残すことに…。

会計をしてもらいながら「とっても美味しいんだけど量が多くて…」と言うと、にっこり笑って見送ってくれた(中央に立っている黒い服の美女。どことなく黒木瞳に似ている。察しのよい人で、トイレを借りようと席を立つと、何も聞いていないのに目があっただけで「地下よ」と教えてくれた)。


セザンヌのお墓参りをしたところで、同行の友人に運転を替わってもらったが、10メートルも行かないうちに、左ハンドルのマニュアル車は無理と判明。結局(旅行手配、現地案内、日常会話程度の通訳に加え)全行程にわたって運転手を務めなければならなかった。


サント・ヴィクトワール山麓のトロネ街道を行く。予定より2時間ほど遅れており、計画していたセザンヌゆかりの「ビベミュスの石切場」と、ロマネスク教会建築の「トロネ修道院」(ル・コルビュジェも参考にしたという)の見学は断念。(この後、先を急いでひたすら車を走らせたので、写真撮影の暇はなかった。サント・ヴィクトワール山の岩塊など圧倒的な景観だったのだが…)


高速道路に入り、カンヌ、アンティーブ、ニース、モナココート・ダジュールを一気に横断。イタリア国境の街マントンで高速道路を降りるつもりが、ひとつ手前で降りてしまい、暗くて狭い山道(断崖沿いなのに、街路灯もまともなガードレールもない、片側一車線の地方道。しかも右側通行で断崖側!)をこわごわ運転する羽目に陥る。

道なりに車を進めていると、偶然、元の高速道路に入る入口に行き当たり、何とか無事にマントンの出口まで辿りついた。そこからくねくね曲がる急な山道を下り、20分ほどで海岸に面した4つ星ホテルに到着(すでに7時をかなり過ぎていた)。


チェックインし、予約していた夕食を「8時から」と頼んで、部屋に入る。最上階でバルコニーの付いた(同じホテルの中でも)かなりランクの高い部屋。


1階に下り、エントランスのバルコニーで地中海の夜景と海の微風を楽しみながらアペリティフ。一日中緊張して運転した後なので、ビール(クローネンブルグ)がことのほか美味しかった(つまみはミックスナッツとチーズ)。


やがて「準備ができました」とお声がかかり、ホテル内のレストランで夕食。すでにオフシーズンかと思っていたが、冬に入る前の連休を楽しむフランス、イタリアの客で大変な賑わいだった(連日のさわやかな暑さもあったのだろう)。料理もイタリア風の感覚(メニューにもイタリア語の表記があった)。