2011年フランス旅行 10日目 

11月1日(火)

いよいよ明日帰国するので、その前にマルセル・デュシャンのお墓参り。ノルマンディーの中心地ルーアンまで行く。


ホテルの中庭から明方の空を見上げる。


今回の旅ではホテルの朝食は、どこもビュッフェ形式だったが、内容は充実しており、クロワッサンや小さなフランスパン、ハム、ソーセージ、チーズ各種、果物、シリアルなどが美味しかった(野菜はいまひとつだったが)。(特にコルマールのホテルはナッツや果物のコンポート、ジャム、蜂蜜などの種類が多く、印象に残る。)

このパリの安ホテルもリヨンのビジネスホテルも、焼きたてのパンが出てきたのはよかった。(生地をオーブンで焼くだけの形にしてホテルに供給しているパン業者がいるらしい。)朝食さえしっかり食べておけば、昼食は軽めで済むし、抜いてもあまりお腹が空かない。


朝のパリ オペラ通り


サンラザール駅(今回は早めに来て8時20分の急行に乗った。)


ルーアン駅構内


ルーアン駅の佇まい


ルーアン市街


ルーアン記念墓地への坂道


墓地前の花屋「エーデルワイス」(エクサン・プロヴァンスの墓地の前にも同じ店があったような気がする。チェーン店かもしれない)


デュシャン家の墓を示す案内板(キリスト教式の墓石が並ぶ中、ここだけは無宗教の質素なプレートだった。左手に並んでいる)


上からレイモン・デュシャン=ヴィヨン(長兄、彫刻家)、ジャック・ヴィヨン(次兄、画家)、シュザンヌ・デュシャン=クロッティ(妹、画家)、ガビュ・べッフ(ジャック・ヴィヨンの配偶者)に続いて、マルセル・デュシャン(1887-1968)、アレクシーナ・サトラー・デュシャン(ティニー夫人。1906-1995)の名前が刻まれている(「さりながら死ぬのはいつも他人なり」という墓碑銘も読める)


供物と供花(ウルトラマン風の人形のお供えは日本人によるものだろうか)


同じ墓地にある文豪フローベールの墓


墓地から市街(大聖堂の方向)を望む。


このあと墓地の丘を下り、ルーアン市街に戻って散策。レジスタンスの英雄(犠牲者)たちのモニュメント。祝日(万聖節)に当たっていたためか、きちんと国旗が掲揚されていた。


ルーアン大聖堂(モネが繰り返し描いたことでも有名。あいにく雨模様となってきた。)



ジャンヌダルク教会


ルーアン市街。昼食に名物の生牡蠣を食べようか迷ったが、明日は帰国で飛行機に乗るのに、お腹を壊しても困るので、軽くサンドウィッチにしておいた。


列車でパリに戻り、シャンゼリゼ通り、コンコルド広場などを散策。 (どこかの土産物屋にモナリザの図柄のハンカチを置いていないか捜してみたが、無かった。)


シャトレ近くのブラッスリーで最後の晩餐。パリでの夕食は外れ続きだったので、今回はガイドブックを頼りに探したが、紹介されていた店は「休日で休み」や「すでに閉店」ばかりで、3〜4軒、無駄足を踏む。リストの後方に掲載されたこの店は、大当たりだった。

「予約してないんだけど、空いてる?」と聞くと、20歳くらいの美人ウェイトレスが「どうぞ、どうぞ」と招き入れてくれた。案内された奥の席に座ると、いきなり「フランス人ですか?」と聞かれた。(この旅で最初にして最後だった。たぶん生涯でもそうだろう)。「いや」と首を振ると「じゃあ、イギリス人?」「いや」「イタリア人?」などと人懐こく聞いてくる。「日本人」というと「ああっ!」と納得した風。

「じゃあ、あなたはフランス人?」「いいえ」「イギリス人?」「いいえ」「イタリア人?」と同じ順番で聞くと、笑い出して「東ヨーロッパの国」という。「ルーマニアかな?」というと、「いいえ、その隣。ウクライナとの間の国。さあ、どこでしょう?」と謎をかけられてしまった。
判らないまま、とにかくメニューを開く。リヨンでもマルセイユでも魚料理だったので、この晩は肉料理にする。


スマフォに地図が入っているのを思い出し、調べてみると「モルドヴァ共和国」だった。ワインを運んできた時に「判った!モルドヴァだ」というと、にこにこして「そうです。キシナウから来ました」という。「恋のマイアヒ」が大ヒットしたグループもモルドヴァ出身と判っていれば、唄ってあげたところなのだが…。


フォアグラのソテー、牛頬肉の赤ワイン煮込みなどの料理も、ワインも、何種類かのデザートも、申し分なく美味しかった。




11月2日(水)

シャルル・ドゴール空港11時発のJAL・エールフランス共同運行便で帰国。

友人は市内で買ったお土産(フェラガモのバッグ、ピエール・ラニエの腕時計など)の免税手続きのため、中国人ばかりの長蛇の列に並んだ。こちらは空港の免税ショップでゲランのオードトワレ・セットを買っただけなので、スムーズに出国手続きを終えた。

ラウンジで優雅にコーヒーを飲みながら友人を待ったが、なかなか現われない。搭乗が始まってイライラ、ヒヤヒヤしていると、ギリギリのタイミングで駆け込んできた。間に合ってよかった。


11月3日(木)午前6時55分羽田着。早朝とはいえ休日なので通勤ラッシュに遭遇せずに帰宅できた。