冗談もいい加減に・・・

ある手続きのため証明書が一枚必要になったので、午後から地元の役所に出かける。申請書を書いて収入印紙を買い、順番待ちをして窓口で申請する。待つこと約十分。やっと名前が呼ばれ、受け取ることができた。

この種の書類作成・交付などは定型的な作業のはずなのに、手仕事がやたらと多く、人手がかかっている。こういう非効率な作業手順は早く改善してほしいものだが、その気配のかけらもないのは、手間がかからなくなって、職を失う公務員が出ると困るからだろう。これでも、今日は正しい証明書が交付されてきたのだから、過去の年金記録の2割に誤りが見つかったという社会保険庁の仕事の杜撰さに比べれば、マシな方かもしれない。

高速道路、農道・林道、連絡橋、空港、ダム、河口堰、庁舎、美術館など、全国津々浦々で行われている公共事業にしても、本当に必要なものよりは、むしろ公務員(とそのOB)の仕事づくりのために行われることの方が多いのではなかろうか。(地元議員・有力者の所有地の買い上げなど、いくつかの目的が組み合わされることも、しばしばあるらしい。また、地元議員・有力者の所蔵する書画が、画商を介して公立美術館に売り込まれることまであるようだ)

連日のように報道されている、官製談合・裏金作り・過剰待遇なども、元の原資は税金(か公債)で、最後のツケも国民に回されるのだ。公務員の懐が痛むわけではなく、逆に懐が潤う話ばかりだから、防止策が表面的に作られても、決して無くなりはしないだろう。

ところで、今朝の朝日新聞によれば、会社員と公務員の公的年金の一元化問題について、公務員の年金を民間並みにするためには、税金の投入が必要となるとのこと。人事院が従業員50人以上の会社の社員と公務員の年金の額を調査したところ、驚いたことに、公務員の方が会社員より少ないのだそうだ。公務員は、上乗せ年金の「職域加算」と退職金を合わせて平均2960万円と、民間の企業年金と退職金の合計より20万円少なく、10年に予定される職域加算廃止後は、この差がさらに242万円に広がるとか・・・

では従業員50人未満の会社の社員の年金や退職金はどうなのか? さらに国民年金の制度しか無い自営業者はどうなのか? こういう民間人の年金も比較の対象に含めれば、公務員の年金がいかに恵まれているかは、比較するまでもないだろう。ただでさえ公務員の労働密度・労働環境は、日々、生存競争に追われている民間よりもはるかに恵まれているというのに、冗談もいい加減にしてほしいものだ。