2007-01-01から1年間の記事一覧

挨拶まわり

12月某日、天気が悪くなるという予報だったので、午前中に掃除をし、午後から東京に出て、挨拶まわり。まず浜松町の横田茂ギャラリーに行き、年末恒例の村上友晴展を観る。横田さんとスタッフは年明けの企画展の準備作業で忙しそうにしておられた。年末年…

鯨と扶桑

12月某日、朝起きると、中堅(というより若手の代表格)の詩人からメッセージが入っていた。某音楽雑誌に近作を発表した由。今月初旬にも別の掲載誌を頂いたのに、机上に置いてそのままにしていたので、慌てて返信し非礼を詫びた。 ニュースで日本政府はザ…

両国・水道橋・神保町

12月某日、小学校の同級生Oさんと誘い合わせて、江戸東京博物館の北斎展に行く。2〜3年前に東博で開催された北斎展が記憶に新しいが、今回の展示の目玉は、シーボルト旧蔵で今はライデン民族博物館とフランス国立図書館が所蔵する北斎工房(北斎・応為・…

長電話

12月某日、久しぶりにコレクターの大先達Kさんから電話があった。 「先週、銀座で画商のMさんと会ったら、このあいだselavyさんと忘年会をしたとおっしゃっていたので、電話したんだよ」 「そうなんです。先々週お会いして、すっかり盛り上がってしまい…

乃木坂・六本木・神保町

12月某日、午後から外出。まず乃木坂の国立新美術館へ。フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展を観る。会期末で大変な混雑だろうと予想していたが、それほどでもなかった。「牛乳を注ぐ女」の前ではさすがに人が多かったが、簡単な柵で順路が区…

新橋・上野・日本橋

12月某日、昼前に家を出て、まず新橋の画廊閑々居へ。長尾和典展を観る。和紙の微妙なテクスチャーと墨で引かれた濃淡さまざまな線のニュアンスを堪能する。小品も大作も一つ一つが何かの物語を読むような感じがした。 画廊を出て、新橋駅から上野まで行く…

神保町

12月某日、神保町まで新刊書を買いに出かける。まず九段下寄りのN1書店に行き、平凡社から刊行された鈴木雅雄『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』を買う。学術系文庫でも買いたい新刊があったが、我慢して店を出る。 続いてT書店へ。店頭均一…

忘年会&忘年会

12月某日、心臓の検査のため、病院へ。「リスクがあることは承知しました。万一のことがあっても構いません」という趣旨の誓約書を提出し、心臓の動きを抑える薬を服用。効き目が現れるまで病院内で1時間ほど時間調整した後、処置室に戻り、心臓の血管を…

京都旅行

高齢の親戚が「あの世に旅立つ前に、是非もう一度京都に行ってみたい」というので、鞄持ち&お供。●訪れたところ 11月28日 : 三井寺 〜 比叡山延暦寺 〜 三千院。 三井寺の静寂と梵鐘の余韻、延暦寺の荘厳と冷気。三千院の混雑ぶりは対照的。 11月2…

マイ・フェイヴァリット・シングス

11月某日、午後から渋谷の松濤美術館に行き、"Great Ukiyo-e Masters"展の後期を観る。写楽の「市川蝦蔵の竹村定之進」と並べて展示されていた、歌舞伎堂艶鏡という謎の絵師の絵が興味深かった。写楽の大首絵から輪郭を取り除いたような奇妙な絵。見たのは初…

詩と詩論

11月某日、浜松町の横田茂ギャラリーを再訪。岡崎和郎展の最終日で、岡崎さんにお会いできるかと思っていたが、「昨日お見えになりましたから、今日はいらっしゃらないかも・・・」とのこと。楽しみにしていたのに、少しがっかり。 応接で美術家野村和弘さ…

共存

11月某日、先日回りきれなかった茅場町のギャラリー「タグチ・ファインアート」を訪れる。ポーランドを代表する女流芸術家(というより、世界で最も重要な彫刻家の一人)マグダレーナ・アバカノヴィッチの近作展「共存」を観る。 わざわざギャラリーの入り口…

「表紙はポスターである!」

11月某日、前日までとは打って変わり肌寒く感じられる日、午後から外出。神奈川県立近代文学館の「無限の大宇宙―埴谷雄高『死霊』展」を観る。遺族から寄贈された草稿・書簡などが、『死霊』の構成に従って、ということはすなわち年代順に展示されている。…

小春日和

11月某日、医者から「右眼が完全に治るまで外出しないように」と言われていたのだが、小春日和に誘われて、外出。まず浜松町の横田茂ギャラリーで岡崎和郎展を観る。ブロンズの小品3点と、ガラスにシルクスクリーンで印字された小品1点。いつもながら、ブ…

兎の眼

11月某日、先月の健康診断で指示されたので、循環器の専門病院まで精密検査(心電図&レントゲン)を受けに行く。これだけでは終わらず、来月さらに心臓のCTスキャンを撮ることになってしまった。 11月某日、朝起きると右目に違和感があり、鏡を覗くと…

葉山・鎌倉

11月某日、神奈川県立近代美術館で開催されている「日本画変革の先導者 玉村方久斗展」の関連イベント、子息であるエッセイスト玉村豊男氏の記念講演を聴講する。 講演の前に、まず葉山館で開催されている、イリヤ・カバコフ「世界図鑑 絵本と原画」を見る…

関西旅行(4日目=最終日)

朝8時すぎにホテルを出て、バスで太秦に行く。広隆寺の境内には、まだ他に拝観者が居なかった。広すぎず狭くもなく、文字通り表の日常と切り離された静けさだ。植え込みは手入れが行き届き、青々とした苔には丁寧に打ち水されて、たいへん気持ちがよい。境内…

関西旅行(3日目)

奈良国立博物館まで正倉院展を観に行く。朝8時すぎにホテルを出て、地下鉄を烏丸御池で乗り換え、一台乗り過ごして、直通の近鉄奈良駅行きに乗り込む。奈良駅前で知り合い(元の組織の兄貴分)と待ち合わせているのだ。行ってみると親子(父・娘の二人)でい…

関西旅行(2日目)

朝9時半頃に京都国立博物館に着いたが、日曜日とあって、すでに入り口の外まで長蛇の列だ。今回の旅行はこの展覧会を観るためなので、仕方なく行列に加わる。10時半過ぎには会場に入ることができた。だが案の定、会場内は人・人・人の洪水だ。どの作品の…

関西旅行(初日)

10月某日、夜行高速バスで横浜を出発。シートが横三列に独立しており、前後の間隔も余裕があったが、斜め前の席に携帯メールを続けるお兄さんが座っており、その画面が眩しくて、あまり眠れぬまま、翌朝早く大阪到着。JRに乗り換え、一路姫路へ。駅から市…

有楽町・横浜・六本木

10月某日、有楽町の出光美術館で「仙崖・センガイ・sengai ― 禅画にあそぶ ―」展を観る。仙崖の書画は、この美術館の創設者が最も愛した美術品で、その最初と最後の収集品も仙崖だったそうだ。総数は1000点以上に及び、この美術館の膨大な蒐集の中でも中核を…

模様替え

10月某日、横浜球場近くの診療所に行き、健康診断を受ける。確か10年振りくらいだ。アルコール分の摂取し過ぎで、肝機能にかなり問題があるらしい。来月再検査を受けるよう指示されてしまった。それにしても、身長が0.4センチ伸びていたのは何故だろう。 10…

透明な巨人

10月某日、午後から横浜美術館まで「シュルレアリスムと美術」展を観に出かける。その前にMM21の某家具店に寄り、本棚を物色。(本を床に積み上げているので、本を探し出すのにやたらと時間がかかるのだ。)休日なので売り場に入る順番が来るまでにかなり…

御物御絵目録

10月某日、午後から上野の東京国立博物館本館まで、特別陳列「東洋の名品―唐物」と同東洋館の「中国書画精華」を観に出かける。夏のような暑さがぶり返し、上野公園の森では蝉が今年最後の鳴き声をあげていた。 「唐物」は鎌倉時代以降、中国から輸入され…

Great Ukiyo-e Masters

10月某日、松濤美術館の展覧会「春信、歌麿、北斎、広重―ミネアポリス美術館秘蔵コレクションより―」を観に出かける。内心「『秘蔵コレクション』とは大仰な」と思っていたのだが、どれもこれも状態がよく、まるで今朝刷り上ったかのような鮮やかな色彩の作…

ワッペン

9月某日、相変わらず夏のような暑さの下、朝から木場の東京都現代美術館に磯部行久展を観に行く。同時開催のイラストレーター氏の展示には、若い人を中心に90分待ちの行列が出来ていたが、こちらはそれほど入場者が多くなく、落ち着いて拝見できた。 磯部行…

六本木・神保町・九段下

9月某日。秋なのに夏のような一日、午後から出かけ、六本木一丁目(泉ガーデン)の泉屋博古館(分館)で「花鳥礼賛―中国・日本のかたちとこころ―」を観る。ここは住友家の旧蔵品を収蔵・展示する施設で、本館は京都にある。三井記念美術館、静嘉堂文庫、出…

横浜・浜松町・京橋・桜新町

9月某日。厳しい残暑の中、午後から外出。まず横浜に出て、駅ビルのバーゲンセールでまとめ買いする。新刊書も1割引で買えるのだ。今村仁司の遺著『社会性の哲学』の在庫が無かったのが残念だが、学術系の文庫本などを10冊ほど購入する。宅急便で自宅まで…

APN & BIOMBO

9月某日、富士ゼロックスのアートスペースで開催されている「実験工房とAPN」展を観に、六本木の東京ミッドタウンまで出かける。この日は同展の関連企画として研究者O氏のレクチャーがあったのだ。 「APN(アプン)とはASAHI PICTURE NEWS(アサヒ・ピクチ…

WHITE LIGHT/BLACK RAIN(ネタバレあり)

9月某日、厳しい残暑のなか、先日見落とした足利義満600年御忌記念「京都五山 禅の文化」展に行く。入場者が10万人を超えたそうで、結構なことだ。展示は「1.兼密禅から純粋禅へ、2.夢窓派の台頭、3.将軍家と五山僧、4.五山の学芸、5.五山の仏画・仏像」の順…