なかなか難しいものだ

昨日(2日)、午後から三田で開催された画家中西夏之さんのレクチャーと関連シンポジウムを聴く。レクチャーは1時間半に及ぶ詳細なもので、タブロー、水彩、ノートの相互の関係や位置付けなどに関して画家自ら語るという内容だった。
土方巽との出会いの時の回想なども、興味深かった。「舞踏とは命がけで立っている死体である」という土方の定義は有名だが、これと同じ趣旨のことをすでに最初の時から語っていた由。この定義に対して中西さんの方も、絵画と自分との関係について深く考えざるを得なかったそうだ。シンポジウムまでのすべてのプログラムが終わったのは、夕方5時を回った頃だった。
三田から神保町に出てT書店に行く。店主に旅行のことなどを話す。少し時間があったので、K文庫、B・ギルド、G堂などを回る。G堂のSさんに見つけられ、「久しぶりですね」と言われてしまった。そういえば、このところしばらく行っていなかった。
その後、これも久しぶりで赤坂のバー「ですぺら」に行き、ネット上の知り合いのYさん主催の忘年会に顔を出させてもらった。大半は初めてお目にかかる方々だったが、共通の知り合いのことや本・写真・アートのことなど、なかなかの盛り上がりだった。気持ちのよい会だったのは、Yさんの人徳ゆえだろう。感謝!
会の途中で、顔見知りの一人に、前から気になっていたことをちょっと忠告してみた。以前、彼がネット上に公開した日記の中に、「小学生じゃあるまいし」と失笑を買いかねない、彼自身の人格を貶めるような内容が書かれていたのだが、当の本人は、どうやらそうは思っていないらしい。それどころか、「武士は喰わねど高楊枝」などとは余計なことだと、こちらが反感を買ってしまったようだ。人に忠告するのはなかなか難しいものだ。