古本屋→中華料理屋

2月4日(日)、晴れ。立春だそうだが、北風が冷たく寒かった。今朝起きると、目のまわりが腫れあがり、一日中、痒くてたまらなかった。空もどんより茶色っぽく雲っていたから、早くも杉の花粉が飛んできたようだ。
そういえば昨日の夕方、駅近くの商店街まで買い物に出て、夕食のおかずを買ったのだが、その帰り道、急に西風が強くなって枯葉が地表近くを舞っていたから、たぶんあの西風が花粉を運んできたのだろう。また憂鬱な季節が始まる。この時期はどこか杉花粉が飛ばない地域で暮らしたいものだ。

ところで、近所に古本屋があり、店主が病気がちで、店があまり開いていないことについては、以前、日記に書いたことがあると思う。開いていれば立ち寄って、文庫本などを漁ったりしていたのだが、この古本屋、昨年11月頃にとうとう閉店してしまった。その後、シャッターには「テナント募集中」という貼紙が寂しく貼ってあったが、どうやらテナントが決まったらしく、年明けに内装工事が始まった。

どんな店だろうと思っていたら、先月下旬、壁面に派手な原色の看板が掲げられ、中華料理屋が華々しくオープンした。何でも中華街に本店のある「○珍楼」という名前で、かなり本格的な店らしい。「開店記念割引」として、1月末まで「全メニュー3割引!」というので、押すな押すなの大行列だ。こういう行列に加わることは基本的には好まないのだが、ついつい3割引につられて、先日、行列の最後に並んでみた。

待つこと約20分、やっと順番が回って来た。もちろん相席だった。店員に訊くと、「アルコールも3割引です」というので、まず生ビール中ジョッキと、酒肴に「当店のお奨め」という「焼き小籠包」を頼む。ビールはすぐに持ってきたのだが、待てど暮らせど小籠包が出てこない。途中で「まだ?」と訊くと、「点心は時間がかかるんです」と平然として言う。それなら最初からそう言えばいいものを・・・。

とうとうジョッキが空いてしまったので、小籠包はキャンセルして、「牛バラご飯」を注文する。するとまたもや時間がかかる。いい加減、待ちくたびれて席を立とうかと思ったら、やっと持ってきた。

一口食べて、目玉が飛び出るほど驚いた。牛バラは温かったが、青菜は冷蔵庫から取り出したものを温めずにそのまま載せたらしい。おまけにご飯がすっかり冷めているのだ。後から丸テーブルの向かいに座ってきた客が注文した「牛バラ麺」は、この直後に持って来たので、おそらく「牛バラ」の注文が重なるのを待って、まとめて調理しているのだろう。

腹が立ったが、腹は減っているので、そのまま黙々と食べていると、その向かいの客が「これ、ラップじゃないか!」と怒声を上げた。牛バラにかけたソースに透明なラップの切れ端(といってもかなり大きめだった)が紛れ込んでいたのだ。作り置きをしてレンジで暖めているのだろう。さすがにこれで食欲を無くし、箸を置いて店を出た。3割引などにつられると、ロクなことはないと分ったのが収穫だった。