夢の中で

8月某日、電話が鳴ったので受話器を取り上げると、回線の向こう側から旧知の人物の懐かしい声が聞こえてきた。言葉にはなっていないただの音声なのだが、その意味は明瞭にわかり、受話器を置くと早速窓辺に寄り、帰宅を今か今かと待つ。が、一向に戻らないので、どうしたのだろう、役所に届け出て捜してもらおうか、いやもうすでに役所も閉まる時間だ、などとあせっているうちに眼が覚めた。
そういえばお盆も近い。目覚めた時、ちょうどテレビでは京都の送り火の映像が映し出されていた。