兎の眼

11月某日、先月の健康診断で指示されたので、循環器の専門病院まで精密検査(心電図&レントゲン)を受けに行く。これだけでは終わらず、来月さらに心臓のCTスキャンを撮ることになってしまった。
11月某日、朝起きると右目に違和感があり、鏡を覗くと、右目だけ腫れ上がり、真っ赤に充血している。毎年春の花粉症のときにお世話になっている眼科医に見てもらうと、「右目にウイルスが入ったためです」との見立て。原因に心当たりはない。前髪が眼の中に入ったのだろうか。2時間おきに点す目薬と飲み薬5種を処方してくれたが、いまのところ効果はないようだ。
11月某日、まだ右目の周囲が腫れ、白目は赤いまま。まるで兎の眼、というよりむしろ血の池の中に黒目が浮いているような状態。とても他人様の前に姿を出せる顔ではないので、知人との約束もやむを得ずキャンセルさせてもらう。終日、家で最近刊行された「水声通信」第20号「特集 思想史の中のシュルレアリスム」を読む(本が何とか読めるのは、幸いだ)。鈴木雅雄氏の「モダニズムならざるもの」以下、魅力的なテーマの論考が並んでおり、特に星埜守之氏の「テルケル/シュルレアリスム」と郷原佳以氏の「言語のアポリアから言語の魔術へ」、永井敦子氏んの「サルトルシュルレアリスム」を、興味深く読んだ。中田健太郎氏他の関連資料紹介も、近年の有力な単行書が取り上げられ、有益だった。