近況(その3)

ご無沙汰しております。その後病院通いを続けた結果、(医者によって見解が異なるのには閉口しましたが)何とか「半年後の再検査」で勘弁してもらえることになりました。どうもご心配をおかけしました。

といっても、あいかわらず体調があまり良くなく、先週の金曜日(雪の降った寒い日)など、某シンポジウムを聴きに出かけたものの、会場に着いた頃には頭痛がしてきて、そのまま引き返す羽目に陥ってしまいました(帰宅後、そのまま寝込んでしまいました)。
加えて花粉症の症状がひどく、毎年恒例の数字合わせの作業もあるので、引き篭もり状態を続けております。

こんな中、以下の展覧会には行ってきました。(付き添ってくださった方に感謝いたします)

東京国立博物館妙心寺」展。如拙の国宝「瓢鯰図」の穏やかな光に唸り、また狩野山雪「老梅図襖」の奇妙な構図(枝振り)に参りました。
併せて「福沢諭吉」展も拝見、巧みな構成と豊かな展示内容に脱帽しました。

横田茂ギャラリー「岡崎和郎 林檎―ウィリアム・テルによせて」展。いつもながらオブジェは緻密に作りこまれ、全体の構成もユーモア溢れていました。何人かのファンで岡崎さんを囲み、しばらく歓談しました。

東京国立近代美術館高梨豊― 光のフィールドノート」展。まず展示されている写真を観て、次にリーフレットの解説を読み、再び作品を見直す、ということを続けながら、改めて写真家が作品を生み出すに至る思考の深さを実感しました。(ちょうど高梨さんが会場にいらっしゃったので、ご挨拶して図録にサインをいただきました。)

お茶の水画廊&淡路町画廊「画刻展」。堀正明・東千賀・藤山ハン・伊藤俊の4人の作家によるグループ展。やはり藤山ハン画伯の「シュルレアリスムの殉教者」と題された瀧口修造肖像画が印象に残りました。藤山画伯のお話では、1979年の死去の直後に描かれた作品だそうです。


その他、テレビを観ていても腹の立つことばかりで、相変わらず血圧が上がりっ放しです。
例の日本郵政に対する総務大臣の横車には、まったく呆れるというより笑っちゃいます。周りの丸ビルも新丸ビルも、みな取り壊して建て替えたのに、東京中央郵便局だけを残したところで、ほとんど意味はないでしょう。今頃「重要文化財級の建物だ」などと強弁しているようですが、それなら国はいままで維持・保存・修復のために、どういう努力・支援をしてきたのでしょうか? 単に(総務省の役人の天下り先を確保するために)民営化を覆そうとして、役人が入れ知恵したとおり、無茶苦茶な言いがかりをつけているとしか思えません。

民主党の小沢代表への西松建設側からの政治献金問題も、政治的な匂いがプンプンしますね。何らかの便宜供与を図った収賄事件というならともかく、単に政治資金収支報告書の記載に誤りがあっただけのことで秘書を逮捕するなどというのは、過去の悪質な政治献金事件に比べてあまりにも大げさな感じです。
たとえば遠藤農水大臣に対する、国の補助金を受けた農業組合からの政治献金や、松岡農水大臣に対する、緑資源機構の受注業者からの政治献金の方が、はるかに悪質で重大な問題でしょう。こうした事件に対して東京地検特捜部が最後まで動くことがなかったのに比べると、著しくバランスを欠いています。

低額給付金の給付が始まったというニュースで、貰っている人(主に老人)がニコニコしている映像なども、見たくないですね。元々の原資は我々の納めた税金なわけですし、この程度のお金を配って、一体どうしろと言うのでしょう? 2兆円の予算を割くなら、無駄で不要なダム・河口堰・空港・港湾の取り壊しなど、もっとまともで意味のあることに使ってほしいものです。(私なら、給付金の替わりに「消費税据置き券」でも貰ったほうが、はるかにうれしいですね。)こういう映像を平気で流しているマスコミの神経が疑われます。