ブルトンの競売に関する記事

一昨年の春に行われたアンドレ・ブルトンのコレクションの大競売についての記事が掲載された、「六月の風」のバックナンバー(no.178)を注文したら、すぐさま送られてきた。

A.ジュフロワのエッセイや、ジュフロワ夫人のレポートなども、大変興味深いものだが、さらに重要なのはブルトンの一人娘オーブさんによるル・モンド紙への寄稿の翻訳が掲載されていることだろう。

当時、私もパリに行って競売会場を訪れ、ブルトンの書斎にあった絵画、写真、手稿、野生のオブジェなどの夥しいコレクションを見たものだが(LAPINさんにはその際、大変お世話になったのだが)、個人的な事情から、プレヴューのみで慌しく帰国しなければならなかったため、競売をめぐる事前の不穏な動きや、その驚くべき顛末について知ったのは、競売の前後2度にわたり朝日新聞に掲載された、見識ある記事を通じてだった。

しかし、この「六月の風」の記事は、当事者(乃至その身近にいた人間)による証言である点で、なお一層貴重なものだろう。こうした記事が存在するとは、不勉強ながらまったく知らなかったのだが、どこかですでに話題になっていたのだろうか?
私にはわからない。知らなかったのは、私ひとりなのか? これは、私自身なのか?