Boxing in KAMAKURA

午後から鎌倉の近代美術館に行き、今日が初日の篠原有司男展を観る。午後2時からボクシング・ペインティングの実演があるというので、1時半頃に到着したのだが、すでに入り口階段前には白い大きなカンバスが立てられ、その前には100人以上の人が座っていた。報道陣もカメラを据えて待ち構え、スタッフも忙しそうにしている。知り合いも何人か来ていた。

やがて緑のリング衣裳に身体を包まれたギューちゃん登場。大きな歓声に片手を挙げて応える。すでに気分はボクサーだ。ひとしきりしゃべった後、モヒカン刈りにした白髪頭の両脇の部分を、改めてアシスタントに剃らせる。

ちょうど2時に上半身裸になり、靴も脱いで、グローブを装着。黒い絵具をたっぷり染み込ませた上で、左右を鉢合わせするようにして、少し絵具を絞ると、おもむろにボクシング・ペインティングを開始。カンバスの右端から左に向って、ストレート、アッパー、フック、時にはクリンチも交えながら、移動していく。途中で靴を履くための中断はあったが、まったく緊張感が途切れることがない。やがてカンバスの左端に到着し、再び大きな拍手と歓声が起こる。

3分の予定が6分間かかったそうだが、長いという感じはせず、むしろあっという間のように感じられた。70歳を超えたとはとても思えない。

その後しばらく、会場で作品を観た。特に第2室が60年代を感じさせて懐かしかった。

3時からのレセプションのために、中庭に人が集まりはじめたので、降りていくと、マイミクの方と出会った。5月以来4ヶ月ぶりだが、よく顔を覚えていて下さったものだ。(もう一人来る予定だったマイミクの方とは会えなかった。)

高名な美術評論家Nさんの乾杯の発声で、レセプション開始。あとで「先生、今日は横浜の〇〇〇アートでパネル・ディスカッションでは…」と伺うと「いや、これから回るんだけど…」とのこと。間に合ったのだろうか。

レセプション終了後、そのマイミクの方と二人で、小町通りの「真実の口」占いに興じ、ケーキ屋さんでお茶をするという、夢のような展開に。さらに古本屋さん2軒にご案内すると、2軒とも何か買い物があったようだ。

6時前に駅前まで戻ってくると、湘南新宿ラインまで30分以上ある。失礼とは思ったが、私だけ一足お先に横須賀線で帰ってきた。なかなか充実した一日だった。