クレパン・ルサージュ・ダーガー

朝方の雨も上がり、昼前には晴れてきた。空気がひんやりして気持ちがいい。午後から外出。銀座の資生堂ギャラリーアール・ブリュット展を見る。

何年か前に世田谷美術館で開催されたパラレル・ビジョン展を見逃しているので、クレパン、ルサージュ、ダーガーなどのオリジナルを見るのは初めてだ。

想像を遥かに越えていた。何というのか、見ているだけで、胸が一杯になってしまった。特に2階に展示してある、いろいろな人たちのインクデッサンが、素晴らしかった。文字と絵画の出発点に立ち会っているような感じ。

彼らにとって、こうした絵を描くことは、一体どういう意味があったのだろう。救いだったのか、無償の捧げものだったのか・・・。こんなことを、ふと考えてしまったが、そんな疑問とは無関係のところで、彼らは何かに憑かれて描いてしまったのだろう。

とすれば、描くことにいちいち理由と根拠を捜さなければいけない人たちより、はるかに原初の絵画につながっているのかもしれない。

少し興奮して、知り合いの画商さんを訪ねると、彼もこの展覧会をすでに見ていた。意気投合して、そのまま銀座のビアホールへ。かれこれ4時間ほどアルコール漬けになってしまった。