旅する眼差し展 その3

昨日(17日)、旅する眼差し展の最終日に「最後の見納めを・・・」と思い、昼前に日吉に到着したが、キャンパス入り口に掲げられていた看板は、すでに撤去され、来往舎の前の案内も出ていない。

少し様子が変だなあと思いつつ、会場まで行くと、ガラス越しに、畏まった雰囲気の一団が展示を観ているのが見えた。真中にいらっしゃるのは、どうやら塾長さんらしく、スタッフの方々がご説明しているようだ。その模様をカメラマンが撮影している。

写真に入らないようにしながら中に入り、展示ケースを眺めたりしていると、やがて塾長さんは、スタッフの方々の労をねぎらい、会場を後にされた。
瀧口修造の存在が慶應の中でも注目されていることが、改めてわかり、うれしかった。

塾長さんへの説明を終えた顔見知りのスタッフの方が
「あらセラヴィさん、今日はまたどうなさったの?」
と奇妙な質問。
「いや、最後の見納めと思って・・・」というと
「ええっ? 昨日でもうおしまいなのよ」とおっしゃる。

2週間の会期で日曜日は閉館だから、最終日は土曜日だとばかり思っていたら、16日(金)までだったのだ。とんだ勘違いをしてしまった。看板が撤去されていたのも、そういう訳だったのか。

「でも、よかったわ。塾長さんがいらっしゃるというので、昨日、撤収しないで、今日までそのままにしておいたの。どうぞご覧になって」という、ありがたいお言葉。

会場を一巡りして、気掛かりだった事項も確認してメモをとり、スタッフの方々にお礼を言って、早々に退散した。

近くで昼食にした後、神田と早稲田の古本屋さんを一巡り。今日は駆け足だったので、どこでも収穫に恵まれなかった。

その後、再び横浜に戻り、夕方から駅近くの蕎麦屋で、高校の同級生4人で忘年会。1人は設計事務所に勤務しているので、話題はもっぱら最近、世間を騒がせている偽装設計の問題だった。

ある程度の経験があれば、あの程度の偽装はすぐわかるはずだという。あんな偽装が素通りするのだったら、建築確認とは一体何なのか。

最近のSAPIO誌上で大前研一も指摘しているそうだが、「これをきっかけにして、役人が焼け太り」などという事態だけはご免蒙りたい、ということに話は落ち着いた。