想い出の霊南坂

午後から外出。ホテル・オークラの企画展示「花鳥風月 日本とヨーロッパ」を観る。同ホテルなどの日本企業の「秘蔵の名品」を展示するもので、今年で12回目だそうだ。今年は酒井抱一「四季花鳥図屏風」が出品されていると、マイミクのひいさんに教えられたのだ。

溜池山王から上がって、霊南坂教会の脇を通る時に、「その昔、確かここで挙式した芸能人のカップルが居たはずだが・・・」との思いがふと頭をよぎったが、誰だったか想い出せず、イラつく。暑さと歳のせいで、脳みそが溶けてしまったようだ。

ホテルの会場に入ると、抱一ばかりか、北斎「来燕帰雁図」「月見る虎図」、若冲「乗興船」拓版、応挙「梅に鶯図」、蘆雪「雁来紅小禽図」、渡辺崋山「富峰驟雨図」など、なかなかの充実振りだった。
いや〜、日本の企業もいいものを持っているではないですか。見直しました。

特に応挙の小品が印象に残る。梅の小枝に止まる鶯を墨で単純化して描いたもので、抑制された線描の自在さが素晴らしい。1785年の描き初めだそうだが、一年のはじめに相応しい絵だ。

欧州の絵画はモネ、マネ、ブーダン、キスリングなど。マネの静物画は珍しかった。だが何故こういう絵画がコレクションされたのだろう?脈絡が読めないので、奇妙だという感慨を抱いてしまった。

会場を出て、隣の大倉集古館へ。「金色の織りなす異空間」展。国宝「古今和歌集序」、「巻子本古今集切」「平家納経」(模作)など、どれも素晴らしい。国宝「普賢菩薩騎象像」も初めて観るものだ。

両方の展示で予定時間を大幅に超過し、3時近くになってしまった。米国大使館の脇を通って虎ノ門へ。そういえば、9.11の翌年2月頃、花粉症防止のため、フードを被りマスクをしてここを通ろうとしたら、警官に呼び止められ、鞄を開ける開けないで、一騒動起こしたものだったが、あれからもう4年か。

銀座に出て買い物をしたら、すでに3時半になっている。予定では、この後、東博に行き、若冲展(3回目)を観るつもりだったが、遅くなったので、中止。近くのビヤホールで、軽く喉を潤してから帰宅した。