夏の終り

mixiの日記からこちらに切り替えることにした。早々にコメントいただいた方も居らっしゃり、恐縮しております。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

朝と夕方、散歩に出かけたが、もう夏も終りだということが実感できる。気温が低いし、日が暮れるのが7月頃に比べ1時間は早い。あと3週間もすれば秋の彼岸だから、当然といえば当然だが。

日中は、先日nadiffで購入した「野生の近代 再考―戦後日本美術史」を読んで過ごす。これは国立国際美術館の移転1周年を記念して、昨年の秋に開催されたシンポジウムの記録集で、すでに3月に刊行されていたらしい。針生一郎中原佑介、千葉成夫、浅田彰林道郎椹木野衣氏ら、なかなか豪華な顔ぶれ。こういうオールスターによるシンポジウムは、時にまとまりのないものなりがちなものだが、そうならなかったのは、戦後日本美術を捉えなおそうという企画者の熱意の故だろう。

戦後の前衛美術を、欧州からみた周縁部におけるモダニズムの位相から再検討しようという意図が、どこまで成功しているかは、必ずしも明らかではないと思うが、参加者の発言にもあったとおり、こういう企画を開催すること自体、美術館や美術批評の役割についての鋭い問題意識が感じられる。できれば、実際にシンポジウムを生で聴いてみたかった。関西方面にお住まいの方が羨ましく思えた。