終日蟄居

出光美術館で開催されている宗達光琳・抱一の「風神・雷神図屏風」展を観に行こうと思っていたが、雨が降り始めたので、終日、家で琳派の解説などを読んで過ごす。3点が一堂に会するのは1940年以来、66年振りとのこと。

元絵と模写という関係なのだから当然かもしれないが、衆目のほぼ一致するところでは、「作品」として観た場合には、やはり宗達がもっとも優れ、光琳、抱一と下るに従って、平板になっていくということのようだ。だが実際にはどうなのだろう? この眼で直に確かめてみたい。日を改めて観に行くつもりだ。

愛媛県在住の友人が、山形の米沢市で開催されている浜田浜雄展の図録を送ってくださった。1940年頃の戦時体制下の日本で、ダリのような絵を描いていた画家。しばしばこの傾向の代表とも位置づけられ、「日本のシュルレアリスム絵画」が論じられる時には、必ず言及される。もっとも、「日本のシュルレアリスム絵画」といえるものがあったか否かは、別途、慎重に検討する必要があるだろう。

これは「蜃気楼」と題された1940年の板絵(油彩)。支持体である板の木目や節をうまく活かして描かれている。流れる雲の筋に人間の眼や唇が出現する様は、一度見たら忘れられないほど、不気味で衝撃的だ。

10年はど前にも、渋谷区立松涛美術館で開かれた回顧展を見た記憶があるが、今回はさらに点数が増えているようで、図録には見覚えのない作品も掲載されている。この展覧会も観ておかなければいけないかもしれない。