横浜古書まつり

伊勢佐木町有隣堂本店で開催されている「横浜古書まつり」に午後から出かける。一亘り会場を見て回ったが、あまりめぼしいものはないようだ。目録を見た人から事前に注文が入っていたのだろう。

戦前の美術雑誌や映画雑誌をバラで出している店があったが、すでに入手しているものばかりだった。戦後の「美術手帖」誌が、創刊号から32冊揃いで4万円以上の値がつけられていた。バラなら1冊100円〜300円だから、やや高い。欲しいと思っている号がこの中に1冊だけあるのだが、すでに持っている号が多いので、その1冊のために32冊まとめて買うことはやはりできない。

結局、今日買ったのは聖智文庫さんの棚の図録1冊と文庫本2冊。図録は2〜3年前に東京で開催された江戸時代の絵師の大規模な展覧会のもので、300頁ほどある。図録というよりモノグラフだ。確か当初から定価は3千円という破格のものだったと思うが、資料として非常に充実していたので、私が見に行った会期末の頃には売り切れてしまっていた。今、神田の古書店では大体6千円〜1万円くらいの値がついている。4200円とはお買い得だった。

ちょうど聖智さんが会場に居らっしゃったのでご挨拶し、先日のUBCのことや関西の古書店のことなどを少し話した。最近扱ったという『薔薇刑』の内容見本の話が興味深かった。内容見本なのに有料だったのだそうだ。

この古書フェアは、確か以前は、馬車道の有隣ファボリ店で開催されており、会場ももっと広かったと思う。ファボリ店は画材や文房具、美術書が中心の品揃えで、なかなか魅力的な店だったが、残念ながら、7〜8年前に閉店されてしまった。本店よりはファボリ店を覗くことの方が多かったのだが。

あの頃、本店の地下はレストランだった。伝統的な洋食のメニューがなかなか美味かったような記憶がある。