小島烏水の版画コレクション

1月22日(月)。雨のち快晴。ノロで寝込んでいる間、いろいろご心配いただき、どうもありがとうございました。どうやら快復したようなので、日記を再開いたします。
さて、売り切れるほどだった納豆だが、消費者もメーカーも無責任なテレビ番組に右往左往させられていたようだ。でも納豆は所詮食べ物で薬ではないのだから、そんなに劇的な効果があるのは妙なことだろう。
今日は午後から久しぶりに外出。横浜美術館の「小島烏水版画コレクション展 ― 山と文学、そして美術」のオープニングに出かけた。
小島烏水(1873〜1948)は、銀行員で日本山岳会の創設者かつ山岳文学のパイオニアだという程度の知識はあったが、版画のコレクターで浮世絵研究者という一面もあったそうな。
横浜正金銀行のサンフランシスコ支店長や本店の秘書課長などを歴任した、銀行員の鑑のような経歴で、その傍ら、ウェストンから学んだ西洋アルピニズムを広め、山岳文学を物し、さらに版画蒐集まで手を染めていたのだから、今で言うマルチ人間のはしりのような人だったのかもしれない。
横浜美術館には烏水旧蔵の版画や資料約900点が寄贈されている。その版画コレクションは、北斎、広重や幕末・明治期の浮世絵だけでなく、デューラーレンブラント、さらにはゴッホゴーギャンセザンヌまでに至り、極めて収集の幅が広い。当時は今ほど価格が高くなく、給料の中から十分買えたのだろう。その中から約250点を展示して、烏水の全貌を明らかにしようという展覧会だ。まとまりがないという印象は否定できないものの、逆にスケールの大きさというのか、古き良き時代の余裕のようなものを感じた。
オープニングには古い知り合いの版画・装幀研究者気谷誠さんと友人の山田さんも来ていた。久しぶりに少しお話しすることができた。
http://bibliotheca-g.jugem.jp/?month=200701
その後、横浜駅まで出て、家電量販店を覗いてから帰宅した。