寒い日

3月17日(土)、曇り。朝から厳しい冷え込みで、時々霙か小雪もちらついている。昨日に続いて冬に逆戻りしたようだ。風邪を引いてしまったらしい。今日は外出するつもりだったが、どうしたものか・・・。今週の主な出来事。

13日(火)、数字合わせの作業で先週提出した書類に加え、今年は別の書類を提出しなければならないと判明したので、ある役所に赴き、受付で用紙をもらう。この役所、例年この時期は長蛇の列だ。その後、所用で芦花公園千歳烏山まで出かける。芦花公園駅で降りたのは5年ぶりだが、駅前の変貌振りに驚いた。まあ、その間にこちらも変わったわけだが・・・。

14日(水)、昨日の書類に記入し、役所まで提出しに行く。受付の案内係に窓口を訊くと、眼の前の長蛇の列に加われという。「別の書類を提出するだけなんだけど」というと「提出書類はすべてあの列に並んでいただいて受け付けることになっています。何なら3階の担当係りに訊いてみて下さい」という。

念のため3階の係りに行くと「○○○○の書類ですね。はい、受け付けました」といって、提出書類と控えにスタンプを押し、あっさり受理してくれた。1階の案内は一体何のために居るのだろう!彼の給料だって、我々の税金から出ているというのに。その後、昨日に続き千歳烏山まで出かける。

15日(木)、午後から外出。銀座の画廊で開催されていた合田佐和子さんの個展(最終日)に行く。階段を上がると来客と話している合田さんと眼が合ったので、花粉症のマスクを取り会釈すると、返して下さった。少し前の作品から今年描かれた最新作まで展示され、かなりの売れ行きだ。原爆ドームが描かれた近作が妙に気になる。

少しお話しを伺ってみたかったのだが、大勢のファンや来客との応接で忙しそうにしておられたので、機会が見つからない。女優の小林麻美さんの姿も見かける。ちょうど知り合いの編集者も来廊されていたので、次回の澁澤龍彦展のことなどを聞く。結局、合田さんにはお声を掛けられないまま、失礼することに・・・。

近くの画廊をハシゴした後、日本橋高島屋に行き、新設されたサロンの「現代写真5人展」を観る。「オノデラユキ楢橋朝子畠山直哉、松江泰治、米田知子」の5人。すでに評価が確立した写真家ばかりだし、百貨店ということもあって、付けられていた値段もなかなかのものだ。

そのまま8階の会場で開催されている川合玉堂展を観る。17才の時の屏風が展示されていたが、すでに堂々たる大家の筆だ。自分の楽しみとして生涯にわたり描かれた自画自賛の小品は、折々の出来事との関わりが窺えて興味深い。絶筆の「出舟」は、80歳を超えてなお新たな世界に出発しようとし、図らずも黄泉の国への船出をえがくこととなってしまった画家の運命が重なり、深く心に残る。

その後、地下鉄で神保町にまわり、T書店を覗く。ちょうどクレジットカードで代金を払ったお客さんが帰ったところに行きあわせ、カード払いをめぐって店主とひとしきり話すことになった。売る立場にとってのカード払いの受け止め方がわかって面白かった。使う立場からクレジットカードのメリット、マイルの貯め方などを話すと、「へえ、そんなことまでねぇ」と、半ば感心し半ば呆れていた。

夜は、九段下の某所で開催された写真関係の研究会に顔を出す。来ておられたメンバーのお一人と、合田佐和子展ですれ違っていたとわかり、お互いに驚く。この方は原爆の表象を研究されている方なので、やはり原爆ドームを描いた作品に反応しておられた。研究発表はベンヤミン中平卓馬三島由紀夫、小島一郎と展開され、なかなかスリリングだった。その後、近くの中華料理で軽く打ち上げ。

16日(金)、午後から所用で千歳烏山に行く。用件を片付けるのに手間取り、夕方になってしまった。桜上水に住んでいる知人を呼び出し、千歳烏山駅前のもつ焼き屋で一杯やる。お互いこの歳なので、話題はもっぱら健康問題だ。通風の心配をしながらもつ焼きでビールとは、矛盾するようだが、美味いものは美味い。最後は駅反対側の「うな○」に場所を替え、肝焼き3本と再びビール。うな丼の松で〆る。