横浜・浜松町・京橋・桜新町

9月某日。厳しい残暑の中、午後から外出。まず横浜に出て、駅ビルのバーゲンセールでまとめ買いする。新刊書も1割引で買えるのだ。今村仁司の遺著『社会性の哲学』の在庫が無かったのが残念だが、学術系の文庫本などを10冊ほど購入する。宅急便で自宅まで無料で送ってくれるのもありがたい。
浜松町に出て、横田茂ギャラリーで「河原温 ―本― 」を観る。”Date”シリーズや”I met”シリーズが厚い書物の形になっていたため、平面で見るよりも時の流れ(と河原の営為)の重さをズシリと感じる。正式な展示期間が始まる前日だったが、すでに私の前に来訪者が数名いた。注目する人は注目しているのだろう。常設のコーナーで展示されていた村上友晴の黒い小品は、前にも何度か見ているが、よい作品だ。
その後、JRで東京駅に行き、京橋のギャラリー東京ユマニテ加納光於展「止まれ、フィボナッチの兎 ― oil and water color on paper 2006」を観る。いつもながらどういう筆と画材でどのようにして描かれたものか、いや描かれたのか否かも判らないほど、緻密な画面。もはや「神の手」の領域に入りつつあるようだ。奥の一室に展示されていた箱のオブジェに心惹かれたが、たぶん手の届かない値段だろう。
京橋から銀座線・半蔵門線を乗り継ぎ、駒沢大学駅へ。小学校・中学校の同窓生がクラス会を兼ねて歓迎会を開いてくれたのだ(長い間、夜逃げをしていたのだが、とうとう見つけられてしまった)。時間より早く、地元に住み続けている元同級生の一人(女の子)と駒沢の喫茶店で待ち合わせる。ちょうど昔の玉電の写真が展示されていた。
店を後にし、その元同級生と一緒に深沢から桜新町へと散歩。小学校のあたりはのどかな田園の面影が残り、懐かしかった。(記憶していたよりも空間が狭く感じられたのは何故だろう。)幼馴染の家もそのまま残っていた。(ついでに某有名政治家と某タレントの家も確認した。)桜新町の商店街では、昔よく通った本屋さんはなくなっていたが、お寿司屋さんや肉屋さんは残っていた。鰻屋さんは移転して大きな店構えになっていた。仕事帰りの同級生が歩いていたので、思わず抱き合って挨拶した。別の同級生の店に上がりこみ、しばらく話した後、会場に行く。20人ほど集まってくれた。みな懐かしかった。