鯨と扶桑

12月某日、朝起きると、中堅(というより若手の代表格)の詩人からメッセージが入っていた。某音楽雑誌に近作を発表した由。今月初旬にも別の掲載誌を頂いたのに、机上に置いてそのままにしていたので、慌てて返信し非礼を詫びた。
ニュースで日本政府はザトウクジラの調査捕鯨を当面見合わせると決めた由。結構なことと思う。日本がここまで捕鯨にこだわってきたのは、むしろ国内の問題、つまり農水族や官僚たちが、自分たちの利権や仕事を失うのを恐れているからではなかろうか。
12月某日、雨の上がるのを待ちかねて、扶桑書房一人展に行く。久しぶりで店主のHさんや、稀覯本の大御所である尊敬するOさん・Kさんのお二人にお目にかかることができた。近況などをお話しする。たまにはこの日記を読んでいただいているそうで、ありがたいことだ。某学会主催者Y先生にもご挨拶申し上げた。すでに両手で持ちきれないほど抱えておられた。何を隠そう、私自身、事前に申し込んだ雑誌二冊が抽選で当たっており、また会場では「シナリオ研究」第二冊も拾うことができた。財布は悲鳴を上げているが、まあこれは「うれしい悲鳴」だ。ホクホク顔で会場を後にする。
帰宅すると、福田総理が、薬害肝炎問題解決のため議員立法により救済法案の成立を目指すと決断した旨、報じられていた。最初から厚労省・政府が責任を率直に認め、和解の決定をすれば済むことを、わざわざ議員立法にしなければならないのは何故なのか、結局国の責任をうやむやにするためではないか、との疑問を禁じえない。年金記録問題同様、官僚の責任を一度、徹底的に問うことが必要だろう。