芸新のデュシャン特集

午前中に、デュシャン・コレクターである大先輩から電話をいただいた。「芸術新潮」がデュシャン特集を組んでいて、なかなか充実しているとのこと。

新聞広告で見て、私も買おうと思っていたのだが、そういえば、すっかり忘れていた。BTも芸新も、マチス特集とか中国美術特集などの、気になる特集なら、今でも買っている。今回のデュシャン特集も、その大先輩がそうおっしゃるのだから、期待がもてそうだ。

何しろこの人は、今から27年前、日本初のデュシャン展を、自分の個人コレクションで開催してしまった方だ。単にコレクターであるだけでなく、当時からすでに、いろいろな文献を読みこなして、勉強されているのである。

またそうでもなければ、そんな時期にデュシャンのコレクションなどできる訳もない。購入先はすべて海外の画商だったのだし、何よりも、その頃はまだ1ドル360円で、外貨割当という制約もあった。そんな頃に、サラリーマンでも手の届くものを少しずつ見つけては、こつこつ収集を続けたのだ。

その先輩の話は、当然のように、デュシャン特集からデュシャン展へ、さらには週末にオープンを控えた瀧口修造展のことへと、展開していった。瀧口展には期待しているとおっしゃっていた。久しぶりだったので、長電話になってしまった。