ファッション雑誌とホリエモン?

このところ花粉症の症状がひどいため、なるべく外出を避け、買い置きのインスタントラーメンなどで食いつないでいたのだが、それもとうとう底をついたので、久しぶりに近所の大きなスーパーまで、買い物に行った。

先日お世話になったマッサージ・チェアの心地よさが忘れられず、今日は最初に家電製品売場を覗いてみた。5〜6台あるチェアのすべてが、年輩の(いや正確に言えば「同年輩の」かもしれないが)男女でふさがっていたが、運良くすぐに1台空き、20分ほど占有できた。

書店に行くと月末に近いので月刊誌の新刊がかなり並んでいた。昨年あたり、40代の男性向けファッション誌も数誌創刊されたようだ。ポパイ、ブルータスで育った世代も、もう40代になったということなのだろう。いままでこの世代向けのファッション誌が無かったので、そこを狙いを絞ったものだろうが、逆にどれも変り映えしない感じもする。

創刊された頃のブルータスや、スーパー・エディター安顕さんが編集していた頃のマリ・クレールなどは、個性がはっきりして、他に似た雑誌などは無かった。毎号毎号、待ち遠しくてたまらず、発売と同時に書店に駆けつけたものだ。買った晩は時が経つのも忘れて隅から隅まで読み耽り、おかげで翌朝は起きるのが辛かった。ああいう雑誌はもう出てこないかもしれない。

今日は立ち読みだけでなく、芸新を買った。曽我蕭白の特集もさることながら、瀧口修造の小特集としてホリエモンいや堀江敏幸さんが寄稿した、「瀧口修造の19の夢」というエッセイに惹かれたのだ。世田谷美術館の展示品から19点を選び、それぞれについて語っているのだが、一つ一つがバラバラではなく、全体でひとつのエッセイになっている。洒落た構成だ。

瀧口さんの文章もかなりよく消化して引用しているし、選んだ作品の見方も、作品の選択自体も、なかなか独創的で、面白く読めた。ただ、最後のカタツムリの落ちは、いつもほどの切れ味はないようにも感じた。相手が瀧口修造となると、やはりこの人でも若干感傷的になるのかもしれない。