「夢の漂流物」展4

昨日(29日)、大先輩のコレクターKさんから電話があった。開口一番「夢の漂流物展の図録が届いたが、装幀が気に入らない」とおっしゃる。

この人は、自分で本を手づくりするために、フランスの装幀の専門書を買い込んで勉強したり、有名な装幀家に付いて学んだりした人なので、こと本のつくりに関しては、一家言あるのだ。

Kさんに言わせると、今回の図録は、角背になっていて、開けにくい。この厚さで、ハードカバーにするなら、丸背にするべきだし、コストの面で丸背が厳しければ、もともとハードカバーにするのをやめて、ペーパーバックにすべきだ、云々。

私も同感。この図録は、確かに開けにくい。また、表紙に使われている白いクロスも、ビニールのような素材なのか、妙にツルリとして、物質感が無い。これも瀧口さんの世界とは、少し異質だ。内容は充実しているのに、惜しい気がする。