長谷川潔展ほか

午後から横浜美術館の「長谷川潔」展に行く。

静物や女性像のマニエール・ノワール(メゾチント)が素晴らしいのは当然として、ドライポイント、エングレーヴィングもなかなか良かった。特に1本の樹のエングレーヴィングなど、素晴らしい。

テーマごとにまとめられた展示は、よく考えられていたと思う。特に風景の版画では、この版画家がいろいろな手法を試し発展させていき、マニエール・ノワールの手法にたどり着く理由やプロセスがよくわかった。

版画の完成度があまりに高いためか、デッサンやモチーフの習作などは、あまり面白くない。何点か出品されていた風景画の油彩も真面目すぎてつまらなかった(この落差が面白いとも言えるが)。立体の作家には、平面も強くて素晴らしい作品を制作する人が多いのに、不思議なことだ…。

ともあれ、これだけの点数の作品をまとめて観ることができるのは、今後も滅多にないだろう。それに、あるマイミクさんも日記に書いておられたが、銅の原版、各種の用具、それに静物のモデルのオブジェ類を見ることができるのも有難い。駅から痛い足を引きずって行っただけのことはあった。

常設もいつものことながら充実していた。
長谷川潔ゆかりの画家の作品。
マン・レイとオッペンハイム、コーネルとシュビッタース、エルンストとドミンゲス、
③昭和の日本画
④写真

ショップが移転して、カフェも併設されていた(以前のレストランはそのまま)。ちょっと寄ってみたかったが、夕方、病院でリハビリを受けることにしていたので、そのまま帰った。

リハビリも終え、家に戻ると、海の向こうから古書目録が届いていた。

ランボー「地獄の季節」初版…12500欧羅、
「ミノトール」揃い…6800欧羅、
マラルメ「ポエジー」…3800欧羅、
ブルトン、スーポー「磁場」…4500欧羅、
ヴァシェ「戦場からの手紙」…380欧羅。

ヴァシェなど是非ほしいところだが、ここはじっと我慢の子だ。