午後から外出

神保町で古書を漁る。
T書店で1冊購入。店主が「8月いっぱいで(古書組合)理事長職もお役御免だ」と言うので、2年間の在任中の主な出来事について話を聞く。職員のリストラと能力給の導入、組合費も納められない組合員の存在、地方の業者の経営、肉筆原稿流出問題、等々。
さらに自民党総裁選や教育問題に及んだが、5時を廻ったので、切り上げる。

地下鉄で外苑前に行き、トキ・アートスペースを覗く。確かアーティストブックの企画展示だと思っていたが、来週からだそうで、新潟在住の作家の、衣類をモチーフにしたインスタレーションを展示していた。

「緊急脱出用シャツ」など、さまざまな用途向けの装備が工夫された衣類。だが、およそ実用には適さないものだ。イラスト入りで説明されたキャプションを読んでいるうち、つい吹き出してしまった。

女性画廊主が奥から出てこられ、しばらくお話ししているうち、作家さんご本人も到着された。作品や制作過程、制作環境などについて、少しお話を伺った。

その足で nadiff に行き、新刊書を2冊購入。このところ、店長さんの姿を見かけないので、どうされたか聞いてみると、体調を崩されて退職された由。「今はこちらに勤めているんです」と、後任の店長さんが新しい勤務先のパンフレットをくれた。やはり文化に関係のある職場のようで、安心する。

ギャラリー360°に廻り、昨日がオープニングだった「ウィリアム・アナスタシーとダヴ・ブラッドショー」展を観る。この二人、コンセプチュアル・アートの草分けで、10年がかりで実現に漕ぎ着けた展示だそうだ。個々の作品はシンプルだが、いろいろなことを考えさせる、重い作品だった。