浜松町・神保町・表参道

17日、午後から外出。まず浜松町の横田茂ギャラリーに行き、西川勝人展を観る。

手前のスペースの床には、液体の雫か植物の種を大きくしたような形の、15cm程度の白い立体が、直径1.5mくらいの円形をなすように、10個ほど並べられている。奥のスペースの床には、ほぼ同じ大きさ(直径1.5mくらい)の、輪状の立体が横倒しに置かれている。

この二つの作品はそれぞれ自立したものではなく、何らかの関連性があるように思えたが、二つのスペースが壁で仕切られていて、関係はよくわからなかった。壁面にも、平面作品が掲示されていた。白い紙に鉛筆と白い油絵の具を最小限度用いて、空と地平線を出現させた、美しい作品。これらの立体の配置プランのようでもあった。

横田さんは先客があったようだが、応接から出て来られ、最近の展覧会や日経新聞の「美術館の実力調査」などについて、少しお話しした。

その後、神保町に出て、古書会館のアングラ・ブックカフェを覗く。買うのを我慢するつもりで居ても、いざ会場に入ると、やはりあれこれ買ってしまうものだ。明治期の復刻本『画心筆法』、巧玄選書『総曲輪懐古館』、至文堂『日本の美術』バックナンバー等々。

今夜は鼎談「写真漬け― 撮る人 編む人 描く人 尾仲浩二・大田通貴・林哲夫 トークショー」が組まれており、京都から林哲夫画伯が上京されることになっていたので、会場の前のカフェで待ち合わせてご挨拶した。以前、京都の山崎書店の店頭でお目にかかったのを覚えていてくださった。美味しい珈琲を飲みながら、SUMUSのこと、古本屋さんや画廊のことなどを、しばらくお話しした。『文字力100』『読む人』にサインをいただく。別の予定が入っていたので、鼎談を聞けなかったのが残念だ。

T書店に寄り、店主とブックカフェのことなどを話した後、表参道に出て、原宿駅近くの某中華料理店に向かう。以前の職場の取引先関係者の、年一度の集会。毎年声を掛けていただき、ありがたいことだ。秘蔵の甕出し紹興酒に、陶然となってしまった。来年の再会を約して、店を後にした。