乃木坂・六本木・神保町

12月某日、午後から外出。まず乃木坂の国立新美術館へ。フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展を観る。会期末で大変な混雑だろうと予想していたが、それほどでもなかった。「牛乳を注ぐ女」の前ではさすがに人が多かったが、簡単な柵で順路が区切られ、「そばで見る方は前で立ち止まらずに、じっくり見る方は後ろから」という交通規制が行われていたため、流れは順調だった。「後ろから」の群集に加わり、しばらく立ち止まって見る。細部はよく見えなかったが、画面全体の明るさ・光は感じることができた。右下の床に置かれた箱は何だろう?あの部分の壁と床の境がやや不自然な感じがするのだが・・・。その他のオランダ風俗画・版画はざっと流して見ただけ。はじめからそのつもりだったから、気が楽だ。
東京ミッドタウンまで歩き、サントリー美術館の「鳥獣戯画がやってきた」展を見ようと、エレベーターで3階まで上がると、フロア全体がざわついている。見ると、館の前に30メートルほどの(しかも横に5〜6人並んで)行列ができているのだった。以前、BIOMBO展を見たときの嫌な感じを思い出し、中に入っても騒がしいだろうと考えて、パスすることにした。この音の反響は、天井が低い(あるいは逆に吹き抜けの部分がある)などの何か物理的な原因のためだろうか? 何にせよ、吸音材を貼るなどの対策が必要ではないか。同じフロアにある富士ゼロックス・アートスペースの展示を見て、ミッドタウンを後にする。
地下鉄で新御茶ノ水に出て、神保町へとブラブラ歩く。G堂書店にエトガー・ヴィント「シンボルの修辞学」があったので購入。店員のSさんに「お久しぶりですね」と言われてしまった。そういえば、ここしばらくは顔を出していなかったようだ。O書房のガラスケースには北斎「百物語」の復刻が置いてあった。これも余裕があれば買いたいけれど、ここは我慢のしどころ。「先日、松濤美術館で観た実物よりも色が濃い」と屁理屈を捏ねる(我ながら「すっぱい葡萄」だ)。続いてT書店に行き、店主としばらく話す。H書房の一人展、S書店やE書房の目録のこと、さらには某詩人の蔵書処分、年末年始の過ごし方などなど。百貨店の古書市の目録を2冊見せてもらってから、店を出る。
N書店に回って知り合いと話し、K堂のスマトラ・カレー+小サラダで夕食にして帰宅。