台風だというのに

24日、25日と続けて外出。

24日、まず神保町のT書店を覗く。以前、世田谷文学館で開催された「瀧口修造武満徹」展の図録があった。余部が一冊も無くなっていたので買う。きちんとパラフィンが巻かれている。前の持主から大切にされていたことがわかって、うれしかった。

他にもパラマキされた瀧口修造特集の雑誌がまとめて数冊あったが、こちらはどれも何部か持っているので、見送り。新刊書店で学術系の文庫を5〜6冊買い込む。

夕方、ある研究会に出席し、高名な詩人Yさんにお目にかかる。お名前に反して物腰のとても柔らかな方だった。ご挨拶すると丁寧に返して下さり、感激。マイミクの方も一人お見えだった。初対面だったが、すぐにわかった。

25日、午後から渋谷に出て、「ギュスタヴ・モロー」展を見る。「出現 L’Apparition」「一角獣 Les Licornes」などを観ることができたのはありがたかった。あのアラベスク模様はどうやって描いているのだろう。何度観ても判らない。水彩も興味深かった。特に「夕べの声 Voix du soir」が素晴らしかった。

その後、近くの放送局でジャズの公開収録を聴く。
ピアノの板橋文夫とアルトサックスの林栄一のデュオ。

二人とも、生で聞くのは10年ぶりくらいか。板橋のピアノは以前より繊細かつ奔放になっていたし、林は大病から復活して、音の深み・奥行きが広がったように感じた。

アンコールの板橋のオリジナルを聞いているうち、涙が滲んでしまった。進行役の女性も語っていたが、ただの音なのに、生命や宇宙までそこに感じられるのは、一体どうしてなのだろう。音楽って、本当に素晴らしい。