関内・麻布十番・早稲田

少し熱っぽかったが、風邪が思っていたほど悪くはならなかったので、雨の上がった午後から外出。まず、関内Y堂書店で今日から始まった「横浜古書まつり」へ。

戦前・戦中のある分野の資料が、まだ残っていたので、購入する。出遅れてしまい、売れたかと思っていたのだが、ラッキーだった。中公文庫も数冊ゲット。

今回の目玉、竹中労唯一の未発表作品自筆稿コピー「満映―わが名は李香蘭」も、まだあった。表紙は自筆、本文はコピーだが自筆校正多数あり。52万5千円はどういう感じなのだろう。私にはこういう分野の相場観がないので、何とも言えない。珍しい資料だと思うのだが。

出品者のS文庫さんを係りの人に教えてもらい、挨拶する。先日購入した雑誌"sumus"中公文庫特集でも紹介されていた店だ。林画伯やマン・レイ・イスト氏のことを話題にしたので、話がすぐに通じる。こちらの蔵書の傾向にも、実に的確な反応がある。今回の品揃えもなかなかのもので、店がさぞ充実していることだろうと思えた。早めに訪れてみたい。

1時間ほどで会場を後にし、麻布十番のギャラリーMMG「橿尾正次展」を再度見る。今日は最終日で、作家ご本人が来廊されていた。好きな作家のこと、瀧口修造のこと、福井のこと、瑛九のことなど、1時間ほど、話し込む。

その後、早稲田にまわり、アンドレ・ブルトン研究者のジョルジュ・セバーグ氏の講演を聴く。思っていたより細面だが、穏やかな表情で、いかにもリセの哲学の先生らしい。30名くらいの、極めて熱心な聴衆で、質問も活発に出た。素晴らしい講演だったようだ。話の内容が把握できれば、なお良かったのだが。