瀧口

日ノ出町・黄金町・伊勢佐木町

午後から横浜市中央図書館に行く。調べ物がいくつかあったのだが、早めに切り上げ、帰り道に伊勢佐木町を訪れることにする。ここは古くからの商店街で、黄金町駅前から関内駅までの約2kmほどの間に、古本屋さんも7〜8軒ほどある。ある知り合いの方から…

上野・上野・浜松町

昼前に外出。東博の「中国書画精華」展を観る。東洋館第8室の入り口にたどり着いて右を観ると、そこに李迪筆「紅白芙蓉図」が掛けられていた。花弁の色が鮮やかなのに対し、葉は少し褪色しているようだが、そういうところも含め、このうえなく高貴に見える…

一犯一語

(2005年9月22日記) あるマイミクの人が、林倭衛の<出獄の日のO氏>(大杉栄の肖像画)の図像を日記に掲載していた。 ちょうど瀧口修造に関連して、1920年代中頃の日本のダダイズムについて、調べているところだったので、大杉の肖像が出たのを機会に、辻…

「夢の漂流物」展3

(2005年2月11日記) 「瀧口修造 夢の漂流物」展を再訪した。瀧口修造コミュにも書いたが、今回の展示では、作品に付されたラベルに関して白とグレーの2種類使い分けており、これによって瀧口旧蔵のものとそうでないものを区別できるようになっている。この…

画廊巡りとシンポジウム

午後から画廊巡りの旅に出る。 まずJRを新橋で降りて、閑々居の長尾和典展へ。和紙と墨の線による作品。和紙は重ねて張ったり、石で擦ったりして、テクスチャーに変化が与えられている。そこに加えられた墨は、滲まされたり、上に和紙が張られたりしてあり…

三鷹・落合・中井

三鷹市美術ギャラリーで開催されている「高島野十郎」展に行く。最初期の自画像、静物画、風景画、月を描いた作品、蝋燭を描いた作品と100点程度が並ぶ。初の回顧展ともいえる展示で、しかも最終日の前日ではあるのだが、これほど混んでいるとは思わなかった…

「渋さ」と瀧口修造

図書館で借りた「渋さ知らズ」(陣野俊史著、河出書房新社)という本を拾い読みする。昔よく聴いていた「生活向上委員会」(通称「セイコウイ」)と「渋さ」との比較考察などがあって、「フムフム」と納得しながら読み進めていたのだが、何と瀧口修造への言…

茅場町・京橋・銀座

午後から外出。 まず茅場町のタグチファインアートに行き、鷲見和紀郎展を観る。ちょうど作家ご本人が来廊されていたので、作品や台座について少しお話を伺う。さらに話題は、先日の「ロダンとカリエール」展や、来月のカミーユ・クローデル展へと広がった。…

表参道・銀座・日本橋

昨日は昼前から外出。 表参道のギャラリーGANで本田健展を観る。モノクロ写真をチャコールペンシルで写し描いた作品。精密な仕事だ。 続いてギャラリー360°で「クール4」展を観る。中村ケンゴの和紙に岩絵具で「Re:」と描いた作品が印象に残る。確かに日本…

猥褻、何が悪い!

これは確か大島渚の言葉だったはずだ。この言葉について瀧口修造が、「聞きましたか? 素晴らしい言葉ですね」と賞賛していたという話を、どこかで読んだ記憶がある。 造形芸術に関して信頼できる眼をもった知り合いが、西洋美術館の「ロダンとカリエール」…

三鷹・吉祥寺・初台

三鷹市美術ギャラリー「詩人の眼―大岡信コレクション」を観る。南画廊の作家たちを中心に、展示はかなり盛り沢山だった。個人コレクションだから主に小品なのは、当然だが・・・。 本当に交流の広い方なのだと再認識させられた。 吉祥寺で下車して、知り合いが…

久しぶりに外出

足を引きずりながら、久しぶりに東京まで出かけた。 12時過ぎに神保町に到着。救世軍脇のベンチでおにぎり3個の昼食を摂った後、T書店をのぞくと、通路が本で溢れかえっている。聞けば、朝5時に店を開け、仕入れを2軒こなしたそうな。 ややお疲れ気味の…

J画廊についてのインタヴュー

夕方、買い物から戻り、郵便受けを見ると、かなり大きな、紙質のよい、緑色の封筒が入っている。(こんなシャレた封筒、アスクルあたりなら扱っているのだろうか?) 某県立美術館の公式の封筒で、裏側には、学芸員の方の署名と、「調査協力のお願い」との記…

旅する眼差し展 その3

昨日(17日)、旅する眼差し展の最終日に「最後の見納めを・・・」と思い、昼前に日吉に到着したが、キャンパス入り口に掲げられていた看板は、すでに撤去され、来往舎の前の案内も出ていない。 少し様子が変だなあと思いつつ、会場まで行くと、ガラス越しに、…

旅する眼差し展 その2

午後から慶應義塾大学日吉校舎の「瀧口修造1958 旅する眼差し」展に行くことにし、いよいよ後は戸締りをするだけ、という段階になって、電話が鳴った。 実は今日は、朝からセールスの電話が2件架ってきて、いらいらしていたので、そのまま電話に出ずに出掛…

旅する眼差し展

午前中、電話があり、昨日の電話は、富山の瀧口修造ファンからだと判明した。日吉の展示に行くから会いたいという趣旨。 もちろん、大歓迎。午後から慶応大学の日吉校舎まで出かけて合流し、一緒に展示を見てきた。 展示の詳細は、瀧口修造コミュにアップし…

ガストロと東野芳明氏

先日の日記にバー「ガストロ」の話を書いたが、マスターのもっとも親しい美術評論家は、実は東野芳明氏だった。東野氏のことがよく話題に上ったし、ドアを開けて入った右側の壁には、確か東野氏が撮影した水中写真が飾ってあったと思う。東野氏は、スキュー…

バー「ガストロ」の想い出

銀座コリドー街にあったバー「ガストロ」のことは、色々な人が語っているが、たまたま昨日、ふとしたきっかけで当時のことを振り返る機会があったので、書いておくことにしたい。 本当に奇蹟のようなスペースだった。カウンターに5〜6席。他に二人用のテー…

行けない

またしても熱っぽくて、行きたい展覧会にも行けない。 終日、家でブラブラ。 イタリアに留学している友人が、「瀧口修造 夢の漂流物」展の図録の感想をメールしてくれた。 彼に図録を送ったら、ムナーリの絵本をお礼に頂いたことは、以前、日記に書いたこと…

関内・麻布十番・早稲田

少し熱っぽかったが、風邪が思っていたほど悪くはならなかったので、雨の上がった午後から外出。まず、関内Y堂書店で今日から始まった「横浜古書まつり」へ。 戦前・戦中のある分野の資料が、まだ残っていたので、購入する。出遅れてしまい、売れたかと思っ…

人生を変える本

夕方買い物に出たついでに、本屋で立ち読みをする。文藝春秋の増刊で「私の人生を変えた一冊の本」とかいう増刊が出ていた。目次にざっと目を通したが、パスだった。 私自身のことを振り返ると、そういう本は『瀧口修造の詩的実験1927〜1937』か、あるいは『…

白金・麻布十番・竹芝

庭園美術館で「庭園植物記」展を見る。 チケットやポスターに東松照明の「ゴールデン・マッシュルーム」が使われているので、戦後の写真家の植物写真を集めた展覧会かと思っていたが、そうではなかった。 まず会場に入ると、高橋由一の植物図譜稿が目を引く…

夢の中で

昨日は早稲田から神保町へと、半日ほど古本屋めぐり。その後、夕方から、田町で開かれていた会に顔を出す。昔お世話になった方も何人か来ていて、久ぶりでご挨拶した。私のことを一応は覚えていて下さった。 「おうっ。久しぶり。今どうしてるんだ?」 「い…

一犯一語

あるマイミクの人が、林倭衛の<出獄の日のO氏>(大杉栄の肖像画)の図像を日記に掲載していた。 ちょうど瀧口修造に関連して、1920年代中頃の日本のダダイズムについて、調べているところだったので、大杉の肖像が出たのを機会に、辻潤の年譜をあたってみ…

銀座・神保町、マン・レイの謎

久しぶりに東京まで出かけた。 銀座の「スパン アート ギャラリー」開廊10周年記念 〈種村季弘 断面からの世界〉展。 (マイミクのヨーイチさんの日記で今日までだと教えていただいたのだ。) 瀧口修造の作品が4点出品されていたが、これはどうやら、先般…

「無礼な!」

大先達のコレクターKさんに電話して、庭園美術館の八木一夫展にお誘いしてみたら、「暑いし、あえて行かなくてもいい」と、振られてしまった。そこから話題は、最近までお茶の水あたりで開かれていた、ある催し物のことに移っていった。 「いやあ、セラヴィ…

夢の漂流物展8

3日の日曜日、富山県立近代美術館で開催されていた「瀧口修造 夢の漂流物」展の見納めに行ってきた。 羽田で、世田谷美術館のSさん、慶應義塾大学のAさんと鉢合わせ、同じ飛行機だと判明した。富山に着いた後、マイミクのかのさんとも無事合流でき、まずは…

「暦象」瀧口修造特集号

数日前、ある古書店の目録に、雑誌「暦象」の第92集(暦象社、1979年12月)が載っていることに気付いた。目録が到着してからかなり日数が経っていたので、もう売れてしまっただろうとは思ったが、ダメモトで電話してみると「まだあります」とのこと。本日、…

「見えない本」と「見える本」

イタリアに留学している知り合いが、「瀧口修造 夢の漂流物」展を観ることが出来ず、「せめて図録だけでも…」というリクエストだったので、4月に発送したところ、約1月半かかって到着し、「お礼に」と、B.ムナーリの『見えない本』を送ってくれた。 Fa par…

マルチプル・ショー at 町田

町田市立国際版画美術館の「マルチプル・ショー デュシャンからリキテンスタインへ」に行ってきた。初めてなので道に迷わないか心配だったが、マイミクかのさんに道筋を教えてもらったおかげで、無事たどり着けた。 梅雨明けを思わせる強い陽射しのなかを、1…