2008-01-01から1年間の記事一覧

Variations in Serenity

今回の展覧会、まずタイトルが「岡鹿之助展」のみで、サブタイトルなしというのが、潔くて良い。もっとも英文では“Variations in Serenity”となっているのだが。「静謐な変奏」か。これなら展示に相応しいかもしれない。 実は、生れて初めて展覧会に行き、感…

申し込みはしたものの・・・

5月19日(月)。朝、旧知の画商Mさんから電話があり、「久しぶりに飲みませんか?」とのお誘い。2月に会って以来だ。夕方、京橋近くの喫茶店で落ち合う。ある調べ物の依頼だった。持ち帰って家で調べることにする。 その後、銀座に回り、ビールで喉を潤…

悪いことは続くもの

5月18日(日)、親戚に慶事があるからと上京してきた、愛媛県宇和島の旧友と、横浜で会った。初めて出逢ったのは今から20年以上前、瀧口修造に関係したある会合の席だった。すぐに意気投合し、上京の際には必ず会うようになった。こちらが宇和島に訪ねた…

古本屋&研究会

5月16日(金)、午後から市立図書館まで行き、調べ物。帰りに伊勢佐木町に回り、古本屋さんを何軒か覗く。以前は素通りしていたブック○○にも寄る。別冊「太陽」を1冊買う。 そのまま足を延ばして馬車道の県立歴史博物館前のS堂へ。2年ほど前に前の伊勢…

本を買うなら

5月15日(木)。悪い夢にうなされたらしく、明け方に目が覚めてしまった。睡眠不足で最悪の体調だが、午後から外出。まず横浜駅ビルの某書店に行く。今日から始まる(駅ビル全体の)バーゲンで、新刊書まで1割引なのだ。最近刊行されたハードカバー3冊…

夢がしゃがんでいる

5月13日(火)。知り合いと美術館巡りをする約束をしており、季節はずれの台風が心配だったが、朝起きてしばらくすると、どうやら雨が上がった。予定通り出掛けることにする。 平塚駅前で待ち合わせ、市美術館へ。ロビーに三沢厚彦の「ユニコーン」が展示…

5月9日(金)、午後から浜松町の横田茂ギャラリーに行き、クリスチャン「道」展を観る。石膏・ブロンズの立体(独楽を想わせる形)が2点、ドローイングが3点(これはとても「強い」作品だ)。2階のスペースでは、小さなインスタレーションが置かれてい…

関西放浪記(その5)

地下鉄を乗り継ぎ、南森町まで行く。お目当ては天神橋筋商店街。古本屋さんが集まっているのだ。地上に出てからの方向が判らず、少し迷ったが、交差点から一筋目だった。アーケードがあり、それだけで懐かしさを覚えてしまう。車が進入して来ないので、安心…

関西放浪記(その4)

5月7日(水)、朝9時半過ぎにホテルを出る。地下鉄で東山まで行き、歩いて細見美術館へ。10時の開館と同時に入り、開館10周年記念特別展「江戸絵画の夢と光り―若冲・北斎とともに―」を観る。(右図はそのチラシ) 江戸初期の「豊公吉野花見図屏風」、…

関西放浪記(その3)

来た道を逆にたどり、石山駅からJRで京都駅に戻る。着いたのが3時15分頃。やはり下界は暑い。バスで京都国立博物館まで行き、「絵画の冒険者 暁斎 ― 近代へ架ける橋」を観る(連休最終日の夕方なのに、入館まで15分待ちだった)。 歌川国芳のもとで浮…

関西放浪記(その2)

5月6日(火)。京都に戻るので、朝、近鉄奈良駅へ。昨年の関西旅行の後、知り合いが「京都行きの直行が無いときは、西大寺で乗り換えると早い」と教えてくれたので、そのつもりで時刻表を見ると、10分ほど後に直行の急行がある。迷わずこれに乗る(駅の…

関西放浪記(その1)

5月5日(月)、朝、新横浜発の「こだま」に乗り、昼過ぎに京都着。そのまま近鉄で「学園前」まで行く。(新幹線ではうるさく感じた車内の話し声も、関西弁なら苦にならないから不思議。)駅ビルを出ると、周囲の丘がなだらかで美しい。また空気も柔らかく…

ジョビンとジョアン

5月4日(日)、パソコンに向かって資料作りをしながら、FM放送の特集「今日は一日、ボサノバ三昧」を聴いている。美術館・画廊や古本屋さん巡りもいろいろ刺激を受けるが、たまにはこういうのんびりとした日も、よいものだ。時間がゆったりと過ぎて行く…

ピンチヒッター

5月1日(木)、訪れたのは馴染みの古本屋のはずなのだが、いつもと店の様子がまったく違っている。映画かテレビドラマで見た芸者置屋のような雰囲気で、玄関の右側には、幅の狭い木の階段があり、二階の廊下に通じているらしい。左側には四畳半くらいの和…

失敗、失敗!

4月28日(月)、夕方から神保町に出かける。いくつか書店をまわり、最近の雑誌・新刊書などをチェック。その後、近くで開催された某研究会に出席。先日の日記「或る日突然」をきっかけに開催の運びとなったもの。荒井由実の詞における物語性、筒美京平の…

「篤姫」と「竜馬が行く」

4月27日(日)、NHKの大河ドラマ「篤姫」を初めて見た。なかなか面白かった。たぶん続けて観てしまうだろう。 小澤征悦が演じる西郷隆盛は、下級武士出身であることを強調する演出のせいか、まだ大物の片鱗すら窺えないが、特に目と眉毛のあたりが有名な…

シュルレアリスムの宇宙と「古本年鑑」

4月20日(日)、昼前に外出。恵比寿の東京都写真美術館の「シュルレアリスムと写真」展の関連シンポジウム「シュルレアリスムの宇宙」を聴く。演題は次のとおり。各発表とも持ち時間30分では収まらない、ズッシリ重い内容だった。 第一部「シュルレアリ…

結果は抽籤で

4月17日(木)、夕方から出掛け、九段下の某所で開催された研究会で発表する。内容は1930年代末頃に発表された瀧口修造の写真論の今日的意義について。10名くらいの小ぢんまりした会だったが、話が逸れるということもなく、何とか無事に終了した。 写真を…

或る日突然

若い知り合いの日記に、「トワ・エ・モワ」の曲が好きで、カラオケでも歌うと書いてあるのを読んで、高校時代のことを想い出してしまった。(何しろ、こちとら「或る日突然」「空よ」や、歌手は別だが「喝采」「夜間飛行」などを、リアルタイムで聴いていた…

上野から神保町へ

4月15日(火)、朝9時過ぎに電話が架かってくる。この時間ならコレクターの大先達Kさんだろうと思い、受話器をとると、予想に反して「もしもし、Oです。」と懐かしい声がした。音楽関係の方で、最後にお目にかかったのは6年ほど前だろうか。いつもタダ…

立方体はブドウ酒の味がする

4月11日(金)、午後から恵比寿の写真美術館の図書室に行き、発表に備えて調べ物(だが肝心の資料が使用中となっており、また出直さなくてはいけない。トホホ)。その後、六本木に出て、富士ゼロックス・アートスペースで開催されている戸村浩展を見る。…

すべては粛々と

永井荷風の「花火」に次のような有名な一節がある。 「明治四十四年慶応義塾に通勤する頃、わたしはその道すがら折々市ヶ谷の通で囚人馬車が五六台も引続いて日比谷の裁判所の方へ走つて行くのを見た。わたしはこれ迄見聞した世上の事件の中で、この折程云ふ…

絵画の鎖・光の森

4月7日(月)、渋谷区立松濤美術館の「中西夏之新作展―絵画の鎖・光の森」のオープニング・レセプションに出かける。美術館で「新作展」とは、凄い(そして間違いなく画期的な)ことだ。地下1階と地上2階の2フロアは白色を基調とする新作の(おそらく連…

お花見

4月3日(木)、地元の知人と昼前に落ち合い、三渓園でお花見をする。途中の本牧通りの桜並木もちょうど見ごろで、まずは通りに面したデニーズに入ってランチ(残念ながら窓側ではなく壁際の席に案内された)。時間をとるのでコーヒーは省略し、食べ終わる…

シングル・シンプルライフ

4月1日(火)、予定していた花見が3日に延期となり、急遽、世田谷文学館「永井荷風のシングル・シンプルライフ」展を観ることにする。数年前まで千歳烏山あたりに住んでいたので、まずはその頃よく通った鰻屋で(遅めの)昼食。テレビで韓国ドラマ(どう…

目黒から中目黒へ

3月最後の日、目黒の東京都庭園美術館で「建築の記憶 写真と建築の近現代」展を観る。前半の江戸・明治期の写真(城、宮城、ニコライ堂など)の写真には圧倒的な「記憶の厚み」が感じられたが、時代が下るにしたがって、その厚みが薄れてくる(桂離宮を撮影…

音信など

いつのまにか桜が満開となったが、このところ花粉症の症状がひどく、外出はなるべく控えるようにしている。今週から医者が薬を、一日一回のタイプから朝晩飲むタイプに変えてくれた。目の痒みが少し治まってきたような気がしないでもない。 知り合いから転職…

奥沢・原宿・恵比寿

3月19日(水)、元の組織の兄貴分から呼び出しの電話があったので、朝、自由が丘まで行く。早めに家を出て、待ち合わせ時間よりかなり前に到着したのだが、すでに兄貴分が駅前で待機されていた。遅参をお詫びし、今日の行動予定を打ち合わせた後、裏通り(…

「さるのこしかけ」と「内包」

3月18日(火)、数字合わせの作業も漸く終了したので、午後から外出。浜松町の横田茂ギャラリーで、岡崎和郎展「”さるのこしかけ”が与えられた時、補遺の庭に立ち現れた三つの知覚像」を観る。 いくつかの立体と写真が組み合わされたインスタレーションで…

横浜・神保町・長津田

3月14日(金)、午前中に家を出て、まず横浜駅近くの百貨店で買い物をする。その後、駅ビルに入居している書店で、学術系文庫などの近刊を買う。特にブルトン『狂気の愛』の新訳(海老坂武訳)は期待できそうだ。 恒例の10パーセント引きバーゲンのため、ビ…