瀧口日和

10月30日(木)、米国から一時帰国された空閑俊憲さんと、そのお友達の民子さんと、三人で昼食(前の晩に電話があり、急遽お目にかかることになったもの)。空閑さんは晩年の瀧口修造の書斎に頻繁に通っていたアーティストで、岡崎和郎作品集の編集・制…

大琳派展など

10月21日(火)、旅行から帰ったばかりだが、上野の国立博物館「大琳派展」を見に行く。知り合いの女性2名と前から約束していたのだ。 会場に入るとまず、光琳「風神雷神図屏風」、抱一「風神雷神図屏風」、其一「風神雷神図襖」が展示されていた(宗達…

富山から東京へ

10月19日(日)、朝、ホテルを出て富山駅からJRで隣の呉羽駅へ。駅から12〜13分ほど歩いて、大塚という集落を訪ねる。ここの龍江寺というお寺に、瀧口修造のお墓があるのだ。お参りをするときにはいつも、瀧口の生家の跡地にあるスーパーで生花を…

室町将軍家の至宝

10月18日(土)、9時前に家を出て、新横浜駅へ。指定席を取ってある「こだま」まで少し時間があったので、新しくオープンした駅ビルを覗いてみる。パン屋で昼食用のサンドイッチを買った後、どういう店が入居しているのか眺めながら、ぶらぶら売り場を…

語り手たちの秋の声

10月某日、慶應義塾大学の三田キャンパス東館展示スペースで「語り手たちの秋の声 クレー、タピエス、トゥオンブリ」(富士ゼロックス版画コレクションによる)を見る。 クレーは「小世界」(1914年)、「フォーゲル劇場」(1918年)、「ホフマン風の情景…

泰と亀

10月11日(土)、早稲田近くの某所で開催された近代詩の研究会に出席。神原泰と尾形亀之助に関する発表を興味深く聴く。神原泰(1898-1997)は、大正期新興美術運動を代表する詩人・評論家。特にマリネッティと文通するなど、未来派の紹介者として知られ…

PCクラッシュ

9月20日過ぎにパソコンがクラッシュし、修理に出したところ、「期末棚卸のため修理センターの稼動を中止しております。作業は10月1日からになります」とのこと。昨日やっと戻ってきました。 毎年のようにクラッシュし、ビデオボードの交換が必要になる…

原宿・新宿・竹芝

9月17日(水)。この日から始まる太田記念美術館の「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」の後期展示に行く。10時20分頃に到着したが、入り口付近にはすでに20〜30人くらいの観客が日差しを避けながら待っていた。開館と同時に行列が静かに中…

今日の反核反戦

9月13日(土)。午前中に家を出て、東武東上線つきのわ駅へ。雑木林と草むらの間の道を30分ほど歩いて原爆の図丸木美術館まで行き、「今日の反核反戦展2008」と、そのオープニング・イベントを見る。(途中、前日に続いて横浜駅ビルでの買い物をし…

原宿・神保町・銀座

9月12日(金)。朝、家を出て横浜駅ビルへ。新刊書まで1割引で買える恒例のバーゲンだ。最近出た学術系文庫などを買い込む。棚に置いていなかった単行本も一冊注文(G.ジュネットの物語論)。ブルトンの『黒いユーモアの選集』が文庫化されたとは知らな…

光の結晶

9月7日(日)。午前中に家を出て、横須賀美術館「ライオネル・ファイニンガー 光の結晶」展に行く。初期の新聞連載漫画・風刺画から、油彩、水彩、版画、素描、木製玩具まで130点ほどの展示で、国内では初めての本格的な回顧展だそうだ。 美術館に着いて、…

所沢から所沢へ

9月4日(木)。昨日の暑さも一段落したので、早めに昼食を済ませ、所沢まで行く。若手の美術家たちの自主企画展「所沢ビエンナーレ」・プレ展覧会「引込線」が開催されているのだ。所沢在住の美術家が市内某所に集まって熱い議論を交わし、以下の「企画概…

源氏物語の1000年

このところ豪雨と雷が続き、家に籠もってばかり。出掛けるのも、買い物か散歩、せいぜい地元の図書館くらいで、この日記を更新するのも1週間振りになってしまいました。8月29日(金)。図書館に寄った後、夕方から知人と落ち合い、横浜美術館の「源氏物語…

おばあちゃん、はじける!

8月23日(土)。午前中に外出。まず溜池の泉屋博古館(分館)で「近代工芸の華 明治の七宝―世界を魅了した技と美―」を見る。素晴らしいの一言だった。並河靖之、涛川惣助の二人の作品はもちろんだが、特に尾張七宝の絶頂期、林喜兵衛、林谷五郎あたりが凄…

神保町詣で

8月19日(火)。早めに昼食を済ませ、神保町に行く。新刊書店で雑誌を買った後、某T書店へ。ちょうど店主夫妻がそろって店に居た。お盆休みの話を聞こうかと思ったら、「昼メシに行こう」と誘われた。こちらはお茶だけにすることにし、一緒に近くの古○戸…

○○の夏

8月16日(土)。夕方、近所のスーパーまで買い物に出掛ける。豆腐、トマト、アイスクリームを買って帰る。このところ、そうめん、冷奴、トマト、アイスクリームばかり食べている。我ながらこれでは栄養のバランスが取れないとは思うが、暑くてほかのメニ…

異質五人展

8月10日(日)。富山から上京してきた知り合いに誘われ、新宿の紀伊國屋画廊「異質五人展 1978年より2008年の軌跡」を見に行く。芥川麟太郎、恵藤求、加藤芳信、木下晋、藤山ハンの、5人の画家による30年振りのグループ展。 恵藤画伯は会場にいらっしゃ…

葵上

8月9日(土)。知人とよこすか芸術劇場の蝋燭能公演を観る。「船弁慶」「紅葉狩」「一角仙人」と、毎年恒例となっている。四回目の今年の番組は、源氏物語一千年にちなみ、能「葵上」、仕舞「夕顔」、同「須磨源氏」ほか。狂言にも源氏物語に関連する演目…

猛暑の日

8月8日(金)。朝から外出。上野の東京都美術館のフェルメール展へ。今週始まったばかりなのだが、会場はかなり混んでいた。フェルメールを7点も見ることができるのだから、当然といえば当然だ。子供の姿が多いのが、いかにも夏休みの展覧会らしい。 展示…

渋谷から神保町へ

8月4日(月)、午後から外出。まず渋谷の東急文化村ザ・ミュージアムで開催されている「青春のロシア・アヴァンギャルド」展を見る。「ロシア・アヴァンギャルド」といえばその昔、池袋で開催された「芸術と革命」展を思い出す人も多いようだが(私などもそ…

町田から神保町へ

7月30日(水)、昨晩の雨で気温が少しだけ低く感じられ、これ幸いと、朝から出掛ける。 まず会期が今週限りとなった町田市立国際版画美術館「中国の山水と花鳥 ― 明清絵画の優品」展へ。中国の絵画といえば、東博の東洋館の特集展示とか、仏画展、水墨画…

結果は抽籤で(その3)

7月25日(金)。午後から外出。日本橋の三井記念美術館で「NIPPONの夏」を見る。「夏ならでは」の動植物や行事、娯楽、風俗などを表現した絵画や工芸品を、一日の時間の流れに沿って、朝、日盛、夕暮、夜の4つの章に分けて展示するもの。 第1〜3室は常…

暑気払いと土用

7月23日(水)。午後から外出。有楽町の出光美術館で「没後50年 ルオー大回顧展」を観る。今回の展示は初期から晩年まで網羅されていたが、どちらかといえば「受難」(右図)、「ミゼーレ」の両シリーズが中心で、あの鉱物のように輝くマチエールの(中…

肉体の叛乱

7月22日(火)。午後から外出。三田の慶応義塾大学東館展示スペースで「1968年 肉体の叛乱とその時代」を観る。同大学アート・センター所蔵資料の展示で、この年の10月に上演された土方巽「肉体の叛乱」(右図)を中心とし、併せて同年の瀧口修造や油…

芸術の日本

表慶館ではフランスの陶器の皿(テーブル・ウェア)が展示されており、どれも「北斎漫画」や広重「魚づくし」などから図案が写されたもの。欧州における日本への憧れ・日本ブーム(いわゆるジャポニズム)の好例だろう。(ジャポニズムの根拠ともなった雑誌…

美術ハ國ノ精華ナリ

7月17日(木)。美女4人と待ち合わせ、上野の東京国立博物館「対決 巨匠たちの日本美術」展を観る。「対決」とか「巨匠」などという言葉の「あざとさ」は、どの美術館も観客動員に追われる昨今、已むを得ないのかもしれないが、展示自体は、こうした上辺の…

噂の真相

7月11日(金)。午後から神保町に行く。まず古書会館の地下の棚をざっと見る。岩波文庫を大量に出品している書店があったので、思わず5冊ほど買い込む。一冊200円〜400円だった。(安かったが、家に帰ってチェックしたら、1冊はダブっていた。この…

コレクターは二度死ぬ

7月7日(月)。七夕の日は朝から雨模様となった。先週の大市の結果はすでに出ていて、いまさらどうしようもないのだが、気になって仕方がない。テンションが上がる一方だ(おそらく血圧も)。 こういうときには、心を落ち着けようと、静かな音楽を聴いても…

駒場から神保町へ

7月4日(金)。早めに昼食にした後、外出。駒場の日本近代文学館で「女流文学者の手紙」展を見る。第一部「書くことの悩みとよろこび」、第二部「生きることのつらさ」、第三部「友情と励ましのなかで」の三部構成。 展示されている手紙は、女流同士の手紙…

詩人の航海日誌

そのまま通りを長谷方面に歩き、10分ほどで文学館前の交差点に到着。右に曲がって鎌倉文学館に向かう。何の変哲もない住宅街を歩いていくと、やがて木々が欝蒼と茂った丘の麓に達する。正門の脇の小屋で入館手続きをし、緑陰の涼しさを実感しながら木立の…