「篤姫」と「竜馬が行く」

4月27日(日)、NHKの大河ドラマ「篤姫」を初めて見た。なかなか面白かった。たぶん続けて観てしまうだろう。 小澤征悦が演じる西郷隆盛は、下級武士出身であることを強調する演出のせいか、まだ大物の片鱗すら窺えないが、特に目と眉毛のあたりが有名な…

シュルレアリスムの宇宙と「古本年鑑」

4月20日(日)、昼前に外出。恵比寿の東京都写真美術館の「シュルレアリスムと写真」展の関連シンポジウム「シュルレアリスムの宇宙」を聴く。演題は次のとおり。各発表とも持ち時間30分では収まらない、ズッシリ重い内容だった。 第一部「シュルレアリ…

結果は抽籤で

4月17日(木)、夕方から出掛け、九段下の某所で開催された研究会で発表する。内容は1930年代末頃に発表された瀧口修造の写真論の今日的意義について。10名くらいの小ぢんまりした会だったが、話が逸れるということもなく、何とか無事に終了した。 写真を…

或る日突然

若い知り合いの日記に、「トワ・エ・モワ」の曲が好きで、カラオケでも歌うと書いてあるのを読んで、高校時代のことを想い出してしまった。(何しろ、こちとら「或る日突然」「空よ」や、歌手は別だが「喝采」「夜間飛行」などを、リアルタイムで聴いていた…

上野から神保町へ

4月15日(火)、朝9時過ぎに電話が架かってくる。この時間ならコレクターの大先達Kさんだろうと思い、受話器をとると、予想に反して「もしもし、Oです。」と懐かしい声がした。音楽関係の方で、最後にお目にかかったのは6年ほど前だろうか。いつもタダ…

立方体はブドウ酒の味がする

4月11日(金)、午後から恵比寿の写真美術館の図書室に行き、発表に備えて調べ物(だが肝心の資料が使用中となっており、また出直さなくてはいけない。トホホ)。その後、六本木に出て、富士ゼロックス・アートスペースで開催されている戸村浩展を見る。…

すべては粛々と

永井荷風の「花火」に次のような有名な一節がある。 「明治四十四年慶応義塾に通勤する頃、わたしはその道すがら折々市ヶ谷の通で囚人馬車が五六台も引続いて日比谷の裁判所の方へ走つて行くのを見た。わたしはこれ迄見聞した世上の事件の中で、この折程云ふ…

絵画の鎖・光の森

4月7日(月)、渋谷区立松濤美術館の「中西夏之新作展―絵画の鎖・光の森」のオープニング・レセプションに出かける。美術館で「新作展」とは、凄い(そして間違いなく画期的な)ことだ。地下1階と地上2階の2フロアは白色を基調とする新作の(おそらく連…

お花見

4月3日(木)、地元の知人と昼前に落ち合い、三渓園でお花見をする。途中の本牧通りの桜並木もちょうど見ごろで、まずは通りに面したデニーズに入ってランチ(残念ながら窓側ではなく壁際の席に案内された)。時間をとるのでコーヒーは省略し、食べ終わる…

シングル・シンプルライフ

4月1日(火)、予定していた花見が3日に延期となり、急遽、世田谷文学館「永井荷風のシングル・シンプルライフ」展を観ることにする。数年前まで千歳烏山あたりに住んでいたので、まずはその頃よく通った鰻屋で(遅めの)昼食。テレビで韓国ドラマ(どう…

目黒から中目黒へ

3月最後の日、目黒の東京都庭園美術館で「建築の記憶 写真と建築の近現代」展を観る。前半の江戸・明治期の写真(城、宮城、ニコライ堂など)の写真には圧倒的な「記憶の厚み」が感じられたが、時代が下るにしたがって、その厚みが薄れてくる(桂離宮を撮影…

音信など

いつのまにか桜が満開となったが、このところ花粉症の症状がひどく、外出はなるべく控えるようにしている。今週から医者が薬を、一日一回のタイプから朝晩飲むタイプに変えてくれた。目の痒みが少し治まってきたような気がしないでもない。 知り合いから転職…

奥沢・原宿・恵比寿

3月19日(水)、元の組織の兄貴分から呼び出しの電話があったので、朝、自由が丘まで行く。早めに家を出て、待ち合わせ時間よりかなり前に到着したのだが、すでに兄貴分が駅前で待機されていた。遅参をお詫びし、今日の行動予定を打ち合わせた後、裏通り(…

「さるのこしかけ」と「内包」

3月18日(火)、数字合わせの作業も漸く終了したので、午後から外出。浜松町の横田茂ギャラリーで、岡崎和郎展「”さるのこしかけ”が与えられた時、補遺の庭に立ち現れた三つの知覚像」を観る。 いくつかの立体と写真が組み合わされたインスタレーションで…

横浜・神保町・長津田

3月14日(金)、午前中に家を出て、まず横浜駅近くの百貨店で買い物をする。その後、駅ビルに入居している書店で、学術系文庫などの近刊を買う。特にブルトン『狂気の愛』の新訳(海老坂武訳)は期待できそうだ。 恒例の10パーセント引きバーゲンのため、ビ…

平塚・茅ヶ崎・葉山・横須賀(2)

続いて、神奈川県立美術館葉山館に行き、「誌上のユートピア―近代日本の絵画と美術雑誌 1889-1915」展を観る。欧州から近代日本まで、有名な美術雑誌を概観する充実した展示。「JUGEND」「VER SACRUM」「The Yellow Book」「明星」「方寸」「月映」など、初…

平塚・茅ヶ崎・葉山・横須賀(1)

2月26日(火)、午後から神奈川近代文学館(カナブン)へ。まず村井玄斎展を観てから、資料室で日曜日の発表に使う資料を閲覧し、必要部分をコピーする。その後、神保町に行くことにしていたので、閲覧室を出て、ぶらぶら歩き始める。大仏次郎記念館の手前…

強風の日

2月24日(日)、岩手から古い友人が訪ねてくれることになっており、昼過ぎには近く駅まで迎えにいく予定だった。が、前日からの強風が止まないので、心配していたら、案の定、朝9時前に「早起きして東北新幹線に乗ったのに、一時運転見合わせになってしまっ…

eyewitness

2月21日(木)、午後から外出。浜松町の横田茂ギャラリーで、東京パブリッシングハウス(TPH)から最近刊行されたポートフォリオを観る。ひとつは大辻清司「eyewitness」、もうひとつは吉田克朗・安斎重男「KATSURO YOSHIDA Installation 1969-1970」 「eyew…

蟄居

2月12日(火)、連休中、眼に痒みを感じたので、近所の医者で目薬・抗アレルギー剤を処方してもらう。今年も花粉症の季節が始まった。この時期は北海道か海外に移住したいくらいだ。その後、週末までひたすら蟄居。来月初旬の発表のための資料作りの日々…

かきつばた

2月5日(火)、午後から外出。銀座のなびす画廊で黒川弘毅・駒形克哉展を観る。単なる二人展ではなく、企画展のように統一性のある会場構成だ。黒川さんの立体を観るのは初めてだと思う。人間とデビルを組み合わせた小品。こういう主題の塑像を焼き物(萩…

少々腹の立つこと

2月1日(金)、午後から出かける。まず竹橋の近代美術館の資料室へ。先日できなかった調べ物。資料自体は簡単に出てきたが、コピーがやっかいだった。コピーの前に、申請書を記入してチェックを受けなければいけないのだ。著作権の関係から資料全頁のコピ…

1978年

1月25日(金) 午後から三田の慶應義塾大学アート・センターまで出かけ、企画展示「1978」を観る。同アート・センターの瀧口修造、土方巽、油井正一の各アーカイヴでは、毎年この三人すべてにあてはまるテーマを設定し、関係者から寄贈された資料などを展…

汐留・銀座・日比谷

1月18日(金)、汐留のShiodomeitaliaで開催されている「ブルーノ・ムナーリ −しごとに関係ある人 出入りおことわり−」を観る。板橋区立美術館ほど大規模な展示ではなく、ムナーリと日本との関係も取り上げられてはいないが、この稀有のデザイナーの仕事が…

ムナーリ展

1月14日(月)、厳しい寒さとなった成人の日、午後から板橋区立美術館の「ブルーノ・ムナーリ あの手この手」展を観に行く。昨年から行こうと思っていた展覧会で、知人からも「よかった。お勧めです」との情報も頂いたので期待していたが、実際に訪れてみ…

年末年始

先週1週間、銀座の某ビジネスホテルに滞在しており、ご挨拶が遅くなりましたが、今年もよろしくお願い申し上げます。 12月30日、ホテルにチェックインした後、午後から歳末の銀座をブラブラする。夕方、ホテルの向かいの蕎麦屋に入るが、あまり美味しく…

挨拶まわり

12月某日、天気が悪くなるという予報だったので、午前中に掃除をし、午後から東京に出て、挨拶まわり。まず浜松町の横田茂ギャラリーに行き、年末恒例の村上友晴展を観る。横田さんとスタッフは年明けの企画展の準備作業で忙しそうにしておられた。年末年…

鯨と扶桑

12月某日、朝起きると、中堅(というより若手の代表格)の詩人からメッセージが入っていた。某音楽雑誌に近作を発表した由。今月初旬にも別の掲載誌を頂いたのに、机上に置いてそのままにしていたので、慌てて返信し非礼を詫びた。 ニュースで日本政府はザ…

両国・水道橋・神保町

12月某日、小学校の同級生Oさんと誘い合わせて、江戸東京博物館の北斎展に行く。2〜3年前に東博で開催された北斎展が記憶に新しいが、今回の展示の目玉は、シーボルト旧蔵で今はライデン民族博物館とフランス国立図書館が所蔵する北斎工房(北斎・応為・…

長電話

12月某日、久しぶりにコレクターの大先達Kさんから電話があった。 「先週、銀座で画商のMさんと会ったら、このあいだselavyさんと忘年会をしたとおっしゃっていたので、電話したんだよ」 「そうなんです。先々週お会いして、すっかり盛り上がってしまい…